コンタクトレンズの処方のために行われる検眼及びテスト用コンタクトレンズの着脱の各行為は、いずれも医師法一七条にいう「医業」の内容となる医行為に当たる。
コンタクトレンズの処方のために行われる検眼及びテスト用コンタクトレンズの着脱と医師法一七条にいう「医業」の内容となる医行為
医師法17条
判旨
コンタクトレンズの処方のために行われる検眼及びテスト用コンタクトレンズの着脱の各行為は、いずれも医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為に該当する。
問題の所在(論点)
コンタクトレンズの処方に際して行われる検眼およびテスト用コンタクトレンズの着脱が、医師法17条の「医業」の内容となる「医行為」に該当するか。
規範
医師法17条にいう「医業」とは、当該行為が医師の医学的知識・技能をもって行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれ(危険性)のある「医行為」を、反復継続の意思をもって行うことを指す。本条の趣旨は、無資格者による医療類似行為から国民の生命・身体の安全を保護することにある。
重要事実
被告人が、医師免許を有しないにもかかわらず、コンタクトレンズの処方を行うにあたり、検眼(視力測定・屈折検査等)およびテスト用コンタクトレンズの着脱を行った事案。原審は、これらの行為が「医業」に該当すると判断し、被告人はこれを不服として上告した。
あてはめ
コンタクトレンズは、角膜に直接接触させて使用する高度管理医療機器の性質を有することから、不適切な検眼や着脱は角膜損傷や感染症等の保健衛生上の危害を生じさせる具体的危険がある。したがって、これら一連の行為は医師の医学的専門知識および技能を必要とする医行為であるといえる。被告人はこれらの行為を業務として行っており、その「医業」性が認められる。
結論
検眼およびテスト用コンタクトレンズの着脱行為は「医行為」に当たり、これを無資格で行うことは医師法17条に違反する。
実務上の射程
本決定は「医行為」の定義を明示的に示してはいないが、先行する判例法理(医事に関わる行為で保健衛生上の危害を生ずるおそれのあるもの)を維持し、コンタクトレンズ関連行為への適用を肯定したものである。答案上は、危険性の多寡や専門的知識の必要性を基準に「医行為」該当性を検討する際の有力な先例として活用できる。
事件番号: 昭和37(あ)416 / 裁判年月日: 昭和39年5月7日 / 結論: 棄却
原判決の確定しているパスハツピと称する水薬は、薬事法第二条第一項第二号所定の「医薬品」にあたり、被告人等が疾病治療の目的でこれを患者の患部に塗布し又は患者をして持つ帰つて塗布させるためにこれを交付した行為は、所論あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法(昭和二二年法律第二一七号)附則第一九条第一項による届出にかかる医…
事件番号: 昭和25(あ)3488 / 裁判年月日: 昭和27年7月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】医師法17条にいう「業」とは、反復継続の意思をもって医行為を行うことを指し、営利の目的(生活上の資料を得る目的)や報酬の有無は、その成立を左右しない。 第1 事案の概要:被告人が医術を業とする目的で医行為を行ったとされる事案において、原判決は被告人の行為を医行為と認定した。しかし、原判決が当該行為…
事件番号: 昭和28(あ)3373 / 裁判年月日: 昭和30年5月24日 / 結論: 棄却
患者に対し聴診、触診、指圧等を行い、その方法がマツサージ按摩の類に似てこれと異なり交感神経等を刺激してその興奮状態を調整するもので医学上の知識と技能を有しない者がみだりにこれを行うときは生理上危険ある程度に達しているときは、医行為と認めるのが相当である。