租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前のもの)40条の4第1項は,「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定」7条1項に違反しない。
租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前のもの)40条の4第1項は,「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定」7条1項に違反するか
租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前のもの)40条の4第1項,租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前のもの)40条の4第2項,租税特別措置法(平成15年法律第8号による改正前のもの)40条の4第3項,所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定7条1項
判旨
特定の外国法人を利用した租税回避を防止するためのタックス・ヘイブン対策税制(租税特別措置法66条の6)が、憲法14条1項の平等原則に違反するか。
問題の所在(論点)
タックス・ヘイブン対策税制による合算課税は、経済実態に基づき国際的な租税回避を防止するという目的において合理性があるか。また、適用除外基準を設けるなどの制度設計が、手段として著しく不合理ではないか。
規範
憲法14条1項は、事柄の性質に応じた合理的な根拠のない限り、差別的な取扱いをすることを禁止している。租税法の分野においては、立法府の政策的、技術的な判断を尊重すべきであり、その目的に合理性があり、かつ、その目的を達成するための手段が著しく不合理であることが明白でない限り、同項に違反しない。
重要事実
本件は、低税率国(タックス・ヘイブン)に子会社を設立し、日本国内の親会社の所得を移転させることで租税を回避しようとする行為に対し、その子会社の留保所得を親会社の所得とみなして合算課税する規定(旧措法66条の6第1項等)の違憲性が争われた事案である。原告は、特定の外国法人を用いる場合にのみ適用される本規定が、法人格独立の原則を害し、他の納税者との間で不当な差別を生じさせると主張した。
事件番号: 平成4(行ツ)127 / 裁判年月日: 平成5年2月18日 / 結論: 棄却
個人の国又は地方公共団体に対する寄付金に関する所得控除について限度額を設けている所得税法七八条一項、二項一号の規定は、法人税法三七条三項一号が法人に関する同様の寄付金についてその全額の損金算入を認めているからといって、憲法一四条一項、八四条に違反するものではない。
あてはめ
本制度の目的は、低税率国への所得移転による租税回避を防止し、国内で活動する納税者との間の税負担の公平を図ることにあり、正当な立法目的といえる。手段については、経済的実態のない法人等を用いた租税回避を捕捉するため、一定の出資比率や税負担率を基準に合算課税を行う一方、実体ある事業活動を行う法人については「適用除外基準」を設けて救済を図っている。この仕組みは、租税回避の防止と適正な所得課税の調整を図るものとして、立法府の裁量の範囲内にある。他国との比較において制度の差異があったとしても、それが直ちに著しく不合理な差別を生むものとは解されない。
結論
本件規定は、租税回避防止という合理的な目的を有し、その手段も著しく不合理とはいえないため、憲法14条1項に違反しない。
実務上の射程
本判決は、租税立法における立法府の広範な裁量を認め、「目的に合理性があり、手段が著しく不合理であることが明白でない限り合憲」とする二重の基準に近い緩和された審査基準を示した。租税回避対策としての合算課税が法人格の独立性を一定程度制限しても、公平負担の理念に照らし許容されることを明確にしている。
事件番号: 昭和56(行ツ)160 / 裁判年月日: 昭和60年12月17日 / 結論: 棄却
所得税法(昭和五六年法律第一一号による改正前のもの)二条一項三四号及びこれが引用する限りでの同項三三号は、憲法一四条一項に違反しない。
事件番号: 平成15(行ヒ)215 / 裁判年月日: 平成17年12月19日 / 結論: 破棄自判
我が国の銀行が,本来は外国法人が負担すべき外国法人税(外国の法令により課される法人税に相当する税)について対価を得て引き受ける取引を行い,同取引に基づいて同銀行が負担した外国法人税が上記対価を上回るため,同取引自体によっては損失を生ずるが,上記外国法人税の負担を自己の外国税額控除の余裕枠を利用して国内で納付すべき法人税…
事件番号: 平成16(行ヒ)326 / 裁判年月日: 平成18年2月23日 / 結論: 破棄自判
我が国の銀行が,本来は外国法人が負担すべき外国法人税(外国の法令により課される法人税に相当する税)について対価を得て引き受ける取引を行い,同取引に基づいて同銀行が負担した外国法人税が上記対価を上回るため,同取引自体によっては損失を生ずるが,上記外国法人税の負担を自己の外国税額控除の余裕枠を利用して国内で納付すべき法人税…
事件番号: 平成18(行ヒ)295 / 裁判年月日: 平成19年7月6日 / 結論: その他
納税者が平成12年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したところ,同権利行使益が給与所得に当たるとして増額更正がされた場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,納税者が同権利行使益を一時所得として申告し,同権利…