上告審は,判決で訴訟の終了を宣言する前提として原判決を破棄する場合には,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない。
上告審が判決で訴訟の終了を宣言する前提として原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否
民訴法87条,民訴法124条1項,民訴法140条,民訴法297条,民訴法313条,民訴法319条
判旨
地方自治法上の認可を受けた町内会の会員資格が規約により一身専属的であるとされる場合、会員が死亡したことによる会員資格の喪失に伴い、会員が提起した臨時総会招集等を求める訴訟は、当然に終了する。
問題の所在(論点)
地方自治法上の認可を受けた団体の会員が、臨時総会の招集を求めて提起した訴訟の継続中に死亡した場合、当該訴訟は当然に終了するか。会員資格の相続性の有無が問題となる。
規範
当事者の死亡により訴訟が当然に終了するか否かは、当該訴訟の目的である権利義務の相続性の有無によって決まる。規約等により会員資格の喪失事由が定められ、その地位が当該会員の一身に専属的なものであって相続の対象とはなり得ないと解される場合には、当該会員が当事者となっている訴訟は、死亡により当然に終了すると解するのが相当である。
重要事実
1. 地方自治法260条の2による認可を受けた町内会の会員が、規約に基づき、総代である上告人に対し、後任選任を目的とする臨時総会の招集を求めて提起した。2. 本件町内会の規約上、会員の死亡は会員資格の喪失事由とされていた。3. 原審口頭弁論終結後、原判決言渡し前に、原告の一人(被上告人)が死亡した。
あてはめ
本件における町内会の規約をみると、会員の死亡は会員資格の喪失事由として明記されている。この点から、本件町内会における会員たる地位は、当該会員個人の属性に基づく一身に専属的なものであり、相続人への承継は否定されているといえる。したがって、本件訴訟の目的である招集請求権も会員の地位と密接不可分であり、相続の対象とはなり得ない。ゆえに、被上告人の死亡によって、本件訴訟を継続すべき当事者が存在しなくなったと評価される。
結論
本件訴訟は被上告人の死亡により当然に終了した。上告審において判決で訴訟終了を宣言するにあたり、前提として原判決を破棄することについては、必ずしも口頭弁論を経る必要はない。
実務上の射程
認可地縁団体やその他社団・組合等の団体において、規約等により資格の一身専属性が認められる場合の訴訟終了処理。および上告審における訴訟終了宣言の手続的要件。
事件番号: 昭和37(オ)1071 / 裁判年月日: 昭和38年3月15日 / 結論: 棄却
公職選挙法第二〇三条による選挙訴訟は、原告たる選挙人または候補者の死亡に因り終了する。