刑法244条1項は,内縁の配偶者に適用又は類推適用されない。
刑法244条1項と内縁の配偶者
刑法244条1項
判旨
刑法244条1項の親族相盗例は、刑の必要的免除という重大な法的効果をもたらす規定であり、その対象範囲は明確に定められるべきであるから、内縁の配偶者には適用・類推適用されない。
問題の所在(論点)
刑法244条1項(親族相盗例)が内縁の配偶者に対して適用または類推適用されるか。
規範
刑法244条1項は、親族間における窃盗等の罪について刑を必要的に免除する規定であり、免除を受ける者の範囲は明確に定める必要がある。したがって、同条にいう「配偶者」に内縁の配偶者は含まれず、同条を内縁の配偶者へ類推適用することも認められない。
重要事実
被告人が、内縁の関係にある被害者の財物を窃取した。弁護人は、刑法244条1項(親族相盗例)の適用または類推適用により、被告人の刑が免除されるべきであると主張して上告した。
あてはめ
親族相盗例は、家庭内の紛争に国家権力が介入することを控えるという趣旨に基づきつつも、刑の必要的免除という強力な効果を伴うものである。このような免除規定の適用範囲は、法的安定性の観点から明確に定まっている必要がある。内縁の関係は法律上の婚姻関係とは異なり、客観的な範囲が不明確であるため、これを同条1項の「配偶者」と同等に扱うことはできない。
結論
内縁の配偶者には刑法244条1項は適用されず、被告人の刑を免除しなかった原判決は正当である。
実務上の射程
親族相盗例の適用範囲を厳格に画定した。答案上、内縁関係を理由とする刑の免除を否定する際の直接の根拠として使用する。また、刑罰権を左右する規定についての類推適用の可否を判断する際の「明確性の原則」の具体例としても活用できる。
事件番号: 昭和28(あ)2567 / 裁判年月日: 昭和28年9月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】親族相関例の適用に関し、原審で主張されていない事実や第一審で認定されていない事実は、上告審において判断の対象とならない。また、被害者が告訴の意思を有していることが書面等により明らかな場合には、告訴の有効性が認められる。 第1 事案の概要:被告人が窃盗罪等の容疑で起訴された事案において、弁護人は「被…