府が個人から取得した事業用地の取得価格,府の土地開発公社が個人から取得し又は個人に譲渡した事業用地の代替地の取得価格及び譲渡価格並びに上記公社の土地評価審査会が上記代替地の評価額を答申した際の評価答申額等に関する情報は,(1)府における事業用地の取得価格は,地価公示法(平成11年法律第160号による改正前のもの)6条の規定による公示価格との均衡を失することのないよう配慮された客観的な価格として算定された価格を上限とし,正常な取引価格の範囲内で決定されていること,(2)上記公社による代替地の取得価格及び譲渡価格は,公示価格を規準とし,公示価格がない場合又はこれにより難い場合は近傍類地の取引価格等を考慮した適正な価格によるものとされていること,(3)上記評価答申額等は,上記公社による代替地の取得価格及び譲渡価格と同額である場合が多く,これらの価格から推知されるものであることなど判示の事情の下においては,大阪府情報公開条例(平成11年大阪府条例第39号)9条1号所定の非公開情報である「個人の財産,所得等に関する情報であって,特定の個人が識別され得るもののうち,一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるもの」に当たらない。
府が個人から取得した事業用地の取得価格,府の土地開発公社が個人から取得し又は個人に譲渡した事業用地の代替地の取得価格及び譲渡価格並びに上記公社の土地評価審査会が上記代替地の評価額を答申した際の評価答申額等に関する情報が大阪府情報公開条例(平成11年大阪府条例第39号)9条1号所定の非公開情報である「個人の財産,所得等に関する情報であって,特定の個人が識別され得るもののうち,一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるもの」に当たらないとされた事例
大阪府情報公開条例(平成11年大阪府条例第39号)9条1号,地価公示法(平成11年法律第160号による改正前のもの)2条1項,地価公示法(平成11年法律第160号による改正前のもの)6条,地価公示法2条2項
判旨
公共用地の買収価格および代替地の取得・譲渡価格(買収価格等)は、客観的な基準に基づき算定される一定の範囲内の客観的な価格であって、「一般に他人に知られたくないと望むことが正当である」個人情報(大阪府情報公開条例9条1号)や、公開により事務執行に著しい支障を及ぼす情報(同条例8条4号)には該当しない。
問題の所在(論点)
公共用地の買収価格および代替地の価格情報は、(1)「一般に他人に知られたくないと望むことが正当である」個人情報(条例9条1号)に該当するか、(2)「事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれ」のある情報(条例8条4号)に該当するか。
規範
事件番号: 平成15(行ヒ)295 / 裁判年月日: 平成17年10月11日 / 結論: その他
1 土地開発公社が個人から買収した土地の買収価格に関する情報は,公有地の拡大の推進に関する法律(平成16年法律第66号による改正前のもの)7条の適用により,同価格が地価公示法(平成11年法律第160号による改正前のもの)6条の規定による公示価格を規準として算定されたなど判示の事実関係の下においては,旧奈良県情報公開条例…
1. 個人情報(条例9条1号)の非公開事由に該当するかは、当該情報が「性質上公開に親しまないような個人情報」といえるかによって判断すべきである。 2. 事務執行への支障(条例8条4号)に該当するかは、当該情報を公開することにより、当該または同種の事務の目的が達成できなくなり、または事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼす具体的おそれがあるかによって判断する。
重要事実
大阪府土地開発公社が公共事業用地の代替地を取得・処分する際の「買収価格等」および「評価答申額等」について、情報公開請求がなされた。これら価格は、公示価格を規準とした「損失補償基準」や「標準地比準評価法」に基づき算定されており、地権者との合意により決定される。実施機関は、個人の財産情報であることや、今後の用地買収交渉への支障を理由に非公開決定とした。
あてはめ
(1) 買収価格等は、客観的な補償基準や公示価格に基づき決定されるため、当事者の自由な交渉の結果が反映される余地は比較的少ない。また、価格要因となる周辺環境や規制等は周知または調査容易な事項であり、価格自体も一般人におおよその見当がつく客観的なものである。したがって、土地を売買した事実は私事としての性質が弱く、公開に親しまない個人情報とはいえない。 (2) 上記の通り、価格が客観的基準で定まるものである以上、これを公開したとしても、今後の用地買収事務において公正・適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。
結論
本件記載部分は条例所定の非公開情報に該当せず、非公開とした処分は違法である。
実務上の射程
土地の所有者が個人である場合だけでなく、法人や国等である場合(条例8条1号・4号)についても、同様の理由により非公開事由に該当しないと判断された。
事件番号: 平成13(行ヒ)18 / 裁判年月日: 平成16年2月13日 / 結論: その他
1 京都市交通局の開催した飲食を伴う協議に地下鉄建設事業地域の地元住民の団体に所属する者及び地権者の団体に所属する者が出席したことに関する情報は,同協議が上記各団体に地下鉄建設工事の内容の説明等を行うことなどを目的としていたという事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1…
事件番号: 平成8(行ツ)210 / 裁判年月日: 平成13年3月27日 / 結論: その他
1 大阪府知事の交際費に係る公文書で交際の相手方及び内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関する情報が記録されているものは,大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)8条4号,5号及び9条1号のいずれにも該当しない。 2 大阪府知事が昭和60年1月ないし3月に支出した交際費に係る公文書で交際の相手方が…
事件番号: 平成15(行ヒ)250 / 裁判年月日: 平成17年7月15日 / 結論: その他
1 土地開発公社が個人から買収した土地の買収価格に関する情報は,公有地の拡大推進に関する法律(平成16年法律第66号による改正前のもの)7条の適用により,同価格が地価公示法(平成11年法律第160号による改正前のもの)6条の規定による公示価格を規準として算定されたという事実関係の下においては,名古屋市公文書公開条例(昭…
事件番号: 平成19(行ヒ)270 / 裁判年月日: 平成21年7月9日 / 結論: 破棄自判
凶悪重大犯罪等に係る出所情報ファイルを犯罪捜査に有効活用すること等を要請する警察庁から県警察本部長あての通達文書に記録された情報のうち,同ファイルの記録対象者を限定する入所罪名及び出所事由の種別に係る情報は,これが公にされた場合,行刑施設の出所者において自己が同ファイルの記録対象とされるか否かについて確実な判別をするこ…