1 旭川市介護保険条例(平成12年旭川市条例第27号。平成15年旭川市条例第20号による改正前のもの)が,介護保険の第1号被保険者のうち,生活保護法6条2項に規定する要保護者で地方税法(平成16年法律第17号による改正前のもの)295条により市町村民税が非課税とされる者について,一律に保険料を賦課しないものとする旨の規定又は保険料を全額免除する旨の規定を設けていないことは,憲法14条,25条に違反しない。 2 介護保険法135条の規定による介護保険の第1号被保険者の保険料についての特別徴収の制度は,憲法14条,25条に違反しない。
1 旭川市介護保険条例(平成12年旭川市条例第27号。平成15年旭川市条例第20号による改正前のもの)が介護保険の第1号被保険者のうち一定の低所得者について一律に保険料を賦課しないものとする旨の規定又は保険料を全額免除する旨の規定を設けていないことと憲法14条,25条 2 介護保険法135条の規定による介護保険の第1号被保険者の保険料についての特別徴収の制度と憲法14条,25条
(1,2につき)憲法14条,憲法25条,介護保険法129条 (1につき)介護保険法142条,生活保護法6条2項,地方税法(平成16年法律第17号による改正前のもの)295条1項,旭川市介護保険条例(平成12年旭川市条例第27号)12条1項,旭川市介護保険条例(平成12年旭川市条例第27号)13条1項 (2につき)介護保険法131条,介護保険法134条1項,介護保険法135条,介護保険法施行令41条
判旨
介護保険条例において、生活保護法上の要保護者等に対し保険料を一律に賦課しない、または全額免除する規定を設けないことは、低所得者への配慮規定が存在する以上、憲法14条、25条に違反しない。
問題の所在(論点)
介護保険料の賦課に関し、生活保護受給者等の低所得者に対して一律の非課税規定や全額免除規定を設けないことが、憲法14条(法の下の平等)および25条(生存権)に違反するか。
規範
社会保障制度の内容の具体化は、立法府の広い裁量に委ねられており、その内容が著しく合理性を欠き、明らかに裁量の範囲を逸脱・濫用したと認められない限り、憲法14条、25条に違反しない。
事件番号: 平成12(行ツ)62 / 裁判年月日: 平成18年3月1日 / 結論: 棄却
1 市町村が行う国民健康保険の保険料については,これに憲法84条の規定が直接に適用されることはないが,同条の趣旨が及ぶと解すべきであるところ,国民健康保険法81条の委任に基づき条例において賦課要件がどの程度明確に定められるべきかは,賦課徴収の強制の度合いのほか,社会保険としての国民健康保険の目的,特質等をも総合考慮して…
重要事実
旭川市介護保険条例(本件条例)は、第1号被保険者の保険料について、所得に応じた段階的区分や、生活保護が必要となる直前の「境界層該当者」に対する負担軽減措置を設けていた。一方で、生活保護受給者等に対して保険料を一律に非課税としたり、全額免除したりする規定は置いていなかった。上告人は、これが経済的弱者に対する合理的な理由のない差別であり、生存権を侵害するとして、憲法14条、25条等への違反を主張した。
あてはめ
まず、介護保険制度は共同連帯の理念に基づき、低所得者に対しても所得に応じた5段階の保険料設定や境界層該当者への配慮規定を置いている。また、生活保護受給者には生活扶助として保険料実費が加算支給される仕組みがある。さらに、老齢年金からの特別徴収(天引き)制度も、事務効率化や利便性向上の目的があり、一定額未満の年金は対象外とする等の配慮がなされている。これらを総合すれば、本件条例が低所得者に一律の免除規定を設けていないことは、著しく合理性を欠くものとはいえず、裁量の範囲内であると評価される。
結論
本件条例が、低所得者に対し一律の免除等の規定を設けていないことは、憲法14条、25条に違反しない。また、保険料率を条例に委ねる仕組みも憲法84条の趣旨に反しない。
実務上の射程
社会保障給付や負担に関する立法裁量を広く認める「堀木訴訟」等の判例の流れを汲むものである。行政法における「条例による賦課」の適法性(租税法律主義の準用)や、社会保障制度における不作為の違憲性を論じる際の準拠枠組みとして活用できる。
事件番号: 昭和54(オ)1068 / 裁判年月日: 昭和57年12月17日 / 結論: 棄却
国民年金法(昭和四一年法律第六七号による改正前のもの)七九条の二第六項、六五条一項、三項、六項の各規定は、憲法二五条、一四条違反の問題を生じない。
事件番号: 平成15(行ツ)202 / 裁判年月日: 平成18年3月28日 / 結論: 棄却
農作物共済に係る共済掛金及び賦課金の具体的決定を農業共済組合の定款又は総会若しくは総代会の議決にゆだねている農業災害補償法(平成11年法律第160号による改正前のもの)107条1項,農業災害補償法(平成15年法律第91号による改正前のもの)43条1項2号,86条1項,87条1項,農業災害補償法45条の2,87条3項の規…