判旨
民事事件において最高裁判所に上告ができるのは、民事訴訟法312条1項または2項に規定された事由がある場合に限られ、単なる事実誤認や法令違反、理由不備の主張は上告理由に該当しない。
問題の所在(論点)
理由不備を実質的な事実誤認や法令違反として主張する場合、民訴法312条1項・2項の上告理由、または同法318条1項の上告受理事由に該当するか。
規範
民訴法312条1項または2項所定の事由(憲法違反、憲法解釈の誤り、または同条2項各号の絶対的上告理由)に該当しない主張は、適法な上告理由を構成しない。また、民訴法318条1項の要件(判例との相反その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むこと)を満たさない場合は、上告受理の対象とならない。
重要事実
上告人兼申立人が、原審判決に理由の不備があると主張して上告および上告受理の申立てを行った事案。上告人は実質的に事実誤認または単なる法令違反を主張していた。
あてはめ
本件の上告理由は、形式的に理由不備をいうものの、その実質は事実誤認または単なる法令違反の主張にすぎない。これは民訴法312条1項(憲法違反等)または2項(絶対的上告理由)のいずれの事由にも明らかに該当しない。また、上告受理の申立てについても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものとは認められない。
結論
本件上告を棄却し、上告受理申立てについても受理しない。
実務上の射程
最高裁への上告においては、形式的な主張名目(理由不備等)ではなく、その実質が法定の上告事由に合致しているかが厳格に判断される。実務上、事実誤認や単なる法令違反を上告理由として構成することは困難であり、憲法問題や絶対的上告理由への収斂が必要となる。
事件番号: 平成15(行ツ)41等 / 裁判年月日: 平成16年9月14日
【結論(判旨の要点)】民事訴訟法312条1項、2項所定の上告事由に該当しない主張や、同法318条1項により受理すべきものと認められない主張に基づく上告及び上告受理申立ては、適法なものとは認められず、棄却または不受理とされる。 第1 事案の概要:上告人兼申立人が、原審判決に理由の不備・食違いがあるとして上告および上告受理…
事件番号: 平成15(オ)340等 / 裁判年月日: 平成15年10月9日
【結論(判旨の要点)】民事事件において最高裁判所への上告が認められるのは、民事訴訟法312条1項または2項に規定された事由がある場合に限られ、実質的に単なる法令違反を主張するものはこれに該当しない。 第1 事案の概要:上告人兼申立人が、原審の判断に憲法違反および理由の不備があると主張して上告および上告受理の申立てを行っ…