判旨
相互銀行法による免許を受けない者が同法所定の無尽契約に類する行為を行っても、それが「営業」として行われない限りは、同法4条に違反せず有効である。
問題の所在(論点)
相互銀行法3条の免許を受けていない者が、同法2条1項1号所定の行為(無尽等)を行った場合、その行為が常に同法4条に違反し私法上無効となるのか。特に「営業として行う」ことの要否が問題となる。
規範
相互銀行法4条が、免許を受けた相互銀行以外の者による同法2条1項1号所定の行為(無尽等)を禁止するのは、当該行為を「営業として行う場合」に限られる。したがって、営業として行われない単なる個人的・一時的な行為であれば、同条の禁止に触れず、私法上の効力も否定されない。
重要事実
上告人と相手方との間で無尽契約(無尽講)が締結された。上告人は、当該契約が相互銀行法3条の免許を受けない者によって行われたものであり、同法4条の禁止規定に違反するため無効であると主張して、その効力を争った。
あてはめ
本件において、問題となっている無尽講が「営業として」行われたものであるかどうかを検討するに、原審(控訴審)の認定によれば、当該行為が営業として行われた事実は認められない。法4条の禁止は営業性に依拠するものであるから、営業性の認められない本件行為は、同条に違反するものとはいえない。
結論
本件無尽契約は相互銀行法4条に違反せず有効である。したがって、これに基づく請求を認めた原判決は正当であり、上告を棄却する。
実務上の射程
行政上の取り締まりを目的とする禁止規定(取締規定)が私法上の効力に影響を及ぼすかという論点において、法が「営業として」行うことを禁止の要件としている場合には、当該要件を欠く行為の私法上の効力は否定されないという判断枠組みを示すものである。答案上は、強行法規違反による無効(民法91条等)を論じる際の限定解釈の根拠として利用できる。
事件番号: 昭和27(オ)778 / 裁判年月日: 昭和29年7月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】無尽契約は金銭貸借の契約ではないため、利息制限法の適用を受けず、同法違反による無効は生じない。 第1 事案の概要:上告人らは、本件契約が利息制限法に違反しており無効であると主張して争った。判決文からは具体的な契約金額や給付時期等の詳細は不明であるが、当該契約が「無尽契約」に該当するか、それとも「金…