判旨
法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁の裁判に対する最高裁判所への特別抗告は、同法6条に規定された憲法違反の事由がある場合に限定される。
問題の所在(論点)
法廷等の秩序維持に関する法律6条に基づく特別抗告において、主張が形式的に違憲を装っているものの、実質的に事実認定の不当を訴えるにすぎない場合、同条所定の抗告事由に該当するか。
規範
法廷等の秩序維持に関する法律による制裁の裁判に対し、最高裁判所へ特に抗告することが許されるのは、同法6条所定の事由(憲法違反等)がある場合に限られる。形式的に違憲の主張をしていても、その実質が単なる事実誤認の主張にすぎない場合は、同条所定の適法な抗告理由には当たらない。
重要事実
法廷等の秩序維持に関する法律に基づき、裁判所から制裁の裁判を受けた者が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。抗告人は、抗告理由の中で「違憲」という用語を用いて主張を展開したが、その主張の実質的な内容は、原決定が認定した事実関係を争うものであった。
あてはめ
本件抗告理由は、文言上は「違憲」との文字を使用している。しかし、その主張の具体的内容を検討すると、原判決が認定した事実そのものを否定し、争うことに帰着している。これは同法6条が想定する憲法解釈の誤りや憲法違反といった事由ではなく、単なる事実関係の不服申し立てといえる。
結論
本件抗告は同法6条所定の抗告事由に当たらないため、法廷等の秩序維持に関する規則19条、18条により棄却される。
実務上の射程
法廷秩序維持法に基づく制裁に対する不服申立ての要件を厳格に解する。形式的な違憲主張による事実争いを排除するものであり、特別抗告全般における「実質的な事実誤認主張」の排斥論理として参考になる。
事件番号: 昭和54(秩ち)3 / 裁判年月日: 昭和54年4月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁裁判に対する抗告において、実質的に単なる法令違反を主張するものは、同法6条1項に規定する適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき置かれた制裁に関し、抗告人が抗告を申し立てた。抗告人は憲法違反を主張していたが、その…
事件番号: 昭和46(秩ち)3 / 裁判年月日: 昭和46年6月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁に対する抗告において、単に法体系の解釈に誤りがあるとする主張は、同法6条所定の適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、裁判所が法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下した決定に対し、抗告人が抗告を申し立てた事案である。抗告人は、原決定が憲法を…
事件番号: 昭和53(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和53年3月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制置に対する抗告において、具体的な憲法違反の指摘を欠く違憲主張や、単なる法令違反の主張は、同法6条1項所定の適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下された何らかの制置(具体的な違反行為の内容は判決文からは不明)に対…
事件番号: 昭和36(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和36年9月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として憲法違反を主張しても、その実質が単なる訴訟手続法の解釈の非難にすぎない場合には、適法な特別抗告の理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、法廷等の秩序維持に関する法律に基づき制裁等を科された事件に関連して、抗告人が抗告の取下げに関する原審の訴訟手続に不服を抱き、特別抗告を…
事件番号: 昭和35(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和35年9月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律2条1項の制裁規定は、憲法に違反するものではない。法廷の秩序を維持するための裁判所の措置は、司法権の適正な行使を保障する観点から合憲と解される。 第1 事案の概要:本件は、法2条1項に基づき制裁を受けた者が、当該規定が憲法に違反すると主張して特別抗告を申し立てた事案であ…