違憲の主張は含むがその余の主張が趣旨不明の抗告趣意につき、法秩法六条一項の抗告理由にあたらないとして処理した事例
法秩法6条1項
判旨
法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁裁判に対する抗告において、実質的に単なる法令違反を主張するものは、同法6条1項に規定する適法な抗告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
法廷等の秩序維持に関する法律6条1項における抗告理由の存否。特に、形式的に憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令違反である場合に同条の抗告理由として認められるか。
規範
法廷等の秩序維持に関する法律6条1項に基づく抗告が認められるためには、同項に規定された特定の事由(憲法違反等)の具備が必要であり、実質的に単なる法令違反を主張するにすぎないものは、適法な抗告理由として認められない。
重要事実
法廷等の秩序維持に関する法律に基づき置かれた制裁に関し、抗告人が抗告を申し立てた。抗告人は憲法違反を主張していたが、その実質的な内容は、単なる法令違反の主張にとどまるものであった。
あてはめ
本件抗告人が主張する違憲の主張は、その内容を検討すると、実質的には単なる法令違反の主張にすぎない。法廷等の秩序維持に関する法律6条1項は限定的な抗告理由を定めており、単なる法令違反はこれに含まれない。したがって、本件主張は同条項の抗告理由に該当しないと評価される。
事件番号: 昭和53(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和53年3月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制置に対する抗告において、具体的な憲法違反の指摘を欠く違憲主張や、単なる法令違反の主張は、同法6条1項所定の適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下された何らかの制置(具体的な違反行為の内容は判決文からは不明)に対…
結論
本件抗告は、法廷等の秩序維持に関する法律6条1項の抗告理由にあたらないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
法廷秩序維持法に基づく制裁に対する不服申立ての制限を明示したものである。答案上は、特別抗告や本法に基づく抗告において、主張が単なる法令違反にすぎない場合に「憲法違反」という構成をとっても門前払いされる根拠として利用できる。
事件番号: 昭和46(秩ち)3 / 裁判年月日: 昭和46年6月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁に対する抗告において、単に法体系の解釈に誤りがあるとする主張は、同法6条所定の適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、裁判所が法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下した決定に対し、抗告人が抗告を申し立てた事案である。抗告人は、原決定が憲法を…
事件番号: 昭和32(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和32年3月28日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁の裁判に対する最高裁判所への特別抗告は、同法6条に規定された憲法違反の事由がある場合に限定される。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき、裁判所から制裁の裁判を受けた者が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。抗告人は、抗告理由の中で「違憲」…
事件番号: 昭和44(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和44年5月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律(本法)は、制裁を科すための要件を具体的に定めており、憲法31条、82条1項、21条1項、32条、37条3項等に違反しない。法廷の秩序維持を目的とした制裁規定の構成要件は明確であり、適正手続等の憲法上の諸原則に抵触するものではない。 第1 事案の概要:申立人らは、法廷等…
事件番号: 昭和54(秩ち)2 / 裁判年月日: 昭和54年5月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】弁護人が法廷で裁判長に対し「裁判長はうそつきであります」と述べることは、それ自体で法廷等の秩序維持に関する法律上の「暴言」に該当し、弁護人の本来の職務とは無関係である。また、秩序維持のための制裁手続は、憲法上必ずしも公開の法廷で行うことを要しない。 第1 事案の概要:弁護人が裁判所内において、裁判…