氏名不詳者から選任された原審代理人よりの特別抗告申立が適法とされた事例
判旨
法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制置に対する抗告において、具体的な憲法違反の指摘を欠く違憲主張や、単なる法令違反の主張は、同法6条1項所定の適法な抗告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
法廷等の秩序維持に関する法律6条1項に基づく抗告において、原決定に対する具体的な論難を含まない違憲主張や単なる法令違反の主張が、有効な抗告理由として認められるか。
規範
法廷等の秩序維持に関する法律6条1項に基づく抗告においては、原決定に対する具体的な論難を含む違憲の主張、または重大な事実誤認(同条項参照)等が必要であり、具体的な根拠を欠く抽象的な違憲主張や、単なる法令違反の主張は適法な抗告理由として認められない。
重要事実
法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下された何らかの制置(具体的な違反行為の内容は判決文からは不明)に対し、抗告人が抗告を申し立てた事案。抗告人は、原決定に憲法違反および法令違反があることを主張の趣旨とした。
あてはめ
本件抗告のうち違憲をいう点は、原決定に対する具体的論難を含まない抽象的な主張にとどまる。また、その余の主張も単なる法令違反の指摘であって、同法6条1項が限定的に規定する抗告理由を基礎付けるに足りる具体的な憲法上の問題提起や重大な誤認の指摘とは認められない。したがって、いずれの点についても適法な抗告理由としての要件を具備していないと評価される。
結論
本件抗告には適法な抗告理由がないため、棄却を免れない。
事件番号: 昭和54(秩ち)3 / 裁判年月日: 昭和54年4月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁裁判に対する抗告において、実質的に単なる法令違反を主張するものは、同法6条1項に規定する適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき置かれた制裁に関し、抗告人が抗告を申し立てた。抗告人は憲法違反を主張していたが、その…
実務上の射程
本決定は、法廷秩序維持法に基づく制置に対する不服申立ての門前払いの基準を明確にしたものである。答案上では、裁判所の広範な裁量に服する秩序維持権に関し、その不服申立て理由が極めて限定的に解釈されている例として引用可能である。
事件番号: 昭和46(秩ち)3 / 裁判年月日: 昭和46年6月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁に対する抗告において、単に法体系の解釈に誤りがあるとする主張は、同法6条所定の適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、裁判所が法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下した決定に対し、抗告人が抗告を申し立てた事案である。抗告人は、原決定が憲法を…
事件番号: 昭和36(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和36年9月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として憲法違反を主張しても、その実質が単なる訴訟手続法の解釈の非難にすぎない場合には、適法な特別抗告の理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、法廷等の秩序維持に関する法律に基づき制裁等を科された事件に関連して、抗告人が抗告の取下げに関する原審の訴訟手続に不服を抱き、特別抗告を…
事件番号: 昭和32(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和32年3月28日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁の裁判に対する最高裁判所への特別抗告は、同法6条に規定された憲法違反の事由がある場合に限定される。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき、裁判所から制裁の裁判を受けた者が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。抗告人は、抗告理由の中で「違憲」…
事件番号: 昭和53(秩ち)2 / 裁判年月日: 昭和53年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律及び同法に基づく監置決定は、憲法18条、25条1項、31条、34条、37条、82条1項等の各規定に違反するものではない。 第1 事案の概要:抗告人が、法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下された監置決定に対し、憲法15条2項、18条、25条1項、31条、32条、34条、…