判旨
特別抗告の理由として憲法違反を主張しても、その実質が単なる訴訟手続法の解釈の非難にすぎない場合には、適法な特別抗告の理由には当たらない。
問題の所在(論点)
抗告取下げに関する原審の訴訟手続の解釈を非難する主張が、憲法違反を理由とする適法な特別抗告の理由として認められるか。
規範
特別抗告の理由として許容されるのは憲法違反または憲法解釈の誤りに限定される。したがって、形式的に憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令の解釈や訴訟手続の不備を指摘するにすぎない場合は、適法な抗告理由とならない。
重要事実
本件は、法廷等の秩序維持に関する法律に基づき制裁等を科された事件に関連して、抗告人が抗告の取下げに関する原審の訴訟手続に不服を抱き、特別抗告を申し立てた事案である。抗告人は憲法違反を主張したが、その実体は訴訟手続法の解釈に関する非難であった。
あてはめ
抗告代理人が主張する憲法違反の事由は、その実質において抗告取下げに関する原審の訴訟手続法の解釈を非難するものにすぎない。これは憲法の具体的条項の解釈を直接論じるものではなく、単なる手続上の不備や法令適用の誤りを憲法問題にすり替えたものといえる。したがって、特別抗告を認めるべき憲法上の問題は含まれていないと評価される。
結論
本件特別抗告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
実務上、特別抗告を申し立てる際には、単なる法令違背や事実誤認ではなく、判決が憲法に直接違反していること、あるいは憲法の解釈を誤っていることを峻別して記載する必要がある。本判決は、この区別を厳格に求める実務上の運用を追認したものといえる。
事件番号: 昭和46(秩ち)3 / 裁判年月日: 昭和46年6月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁に対する抗告において、単に法体系の解釈に誤りがあるとする主張は、同法6条所定の適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、裁判所が法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下した決定に対し、抗告人が抗告を申し立てた事案である。抗告人は、原決定が憲法を…
事件番号: 昭和53(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和53年3月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制置に対する抗告において、具体的な憲法違反の指摘を欠く違憲主張や、単なる法令違反の主張は、同法6条1項所定の適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下された何らかの制置(具体的な違反行為の内容は判決文からは不明)に対…
事件番号: 昭和32(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和32年3月28日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁の裁判に対する最高裁判所への特別抗告は、同法6条に規定された憲法違反の事由がある場合に限定される。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき、裁判所から制裁の裁判を受けた者が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。抗告人は、抗告理由の中で「違憲」…
事件番号: 昭和46(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和46年4月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律2条に基づく監置の制裁は、憲法31条、34条、37条、82条に違反しない。裁判所の法廷秩序維持権限に基づく制裁は、通常の刑事手続とは異なる性質を有するものの、合憲である。 第1 事案の概要:法廷において秩序を乱す行為等があったとして、法廷等の秩序維持に関する法律2条に基…
事件番号: 昭和54(秩ち)3 / 裁判年月日: 昭和54年4月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁裁判に対する抗告において、実質的に単なる法令違反を主張するものは、同法6条1項に規定する適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:法廷等の秩序維持に関する法律に基づき置かれた制裁に関し、抗告人が抗告を申し立てた。抗告人は憲法違反を主張していたが、その…