判旨
調停申立てがあった場合に訴訟を中止するか否かは、民事調停規則5条に基づき、裁判所の裁量によって決すべきである。
問題の所在(論点)
民事調停の申立てがあった場合に、裁判所は必ず訴訟手続を中止しなければならないか(民事調停規則5条の解釈)。
規範
民事調停法に基づく調停の申立てがあった際、係属中の訴訟手続を中止するか否かについては、民事調停規則5条本文に基づき、裁判所の職権による裁量に委ねられる。
重要事実
上告人は、調停の申立てがあったにもかかわらず原審が訴訟手続を中止しなかったことを違法として上告した。また、原審において裁判官の更迭があったにもかかわらず適切な手続が取られなかった旨の主張もなされた。
あてはめ
民事調停規則5条本文は、調停申立てがあった場合の訴訟中止について裁判所の裁量を認めている。本件において、原審が裁量により訴訟を中止しなかったことは同条に適合しており、違法とは認められない。また、裁判官の更迭があったとする主張については、事実として更迭の存在が認められないため、手続違背の前提を欠く。
結論
訴訟中止の判断は裁判所の裁量に属するため、中止しなかった原判決に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
訴訟と調停が並行する場合の裁判所の交通整理に関する判断権限を確認するものであり、実務上、中止の申立てはあくまで裁判所の職権発動を促すものに留まることを示している。
事件番号: 昭和37(オ)639 / 裁判年月日: 昭和38年10月15日 / 結論: 棄却
民事調停規則第五条は、調停の申立があつた事件につき訴訟が繋属する場合において、右訴訟手続を中止するか否かを裁判所の自由裁量に委ねた趣旨と解すべきである(昭和二七年(オ)第五七一号昭和二八年一月二三日第二小法廷判決、民集七巻一号九二頁と同旨)。
事件番号: 昭和26(オ)790 / 裁判年月日: 昭和29年1月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】調停手続が終了するまで訴訟手続を中止すべき場合に、中止せずになされた判決の瑕疵は、その後に調停の申立てが取り下げられ調停手続が終了したことによって治癒される。 第1 事案の概要:被上告人による土地明渡請求に対し、上告人は借地権の存在を主張し、昭和26年9月29日に借地調停を申し立てた。原審は、借地…
事件番号: 昭和27(オ)1008 / 裁判年月日: 昭和28年4月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合は、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、その上告理由の内容が検討された。なお、具体的な事案の詳細は判決文からは不明である。 第…
事件番号: 昭和39(オ)787 / 裁判年月日: 昭和40年3月11日 / 結論: 棄却
忌避申立を受けた裁判官が忌避申立についての裁判確定前になした判決は、その後右申立が理由なしとして排斥されその裁判が確定するに至つたときは、有効となるものと解するのを相当とする。