判旨
高等裁判所が上告審としてした終局判決に対する最高裁判所への再上告は、憲法適合性の判断が不当であることを理由とする場合に限定される。
問題の所在(論点)
高等裁判所が上告審としてした終局判決に対し、最高裁判所への再上告(特別上告に準ずる形態)が許容されるための適法な上告理由の範囲が問題となる。
規範
旧民事訴訟法409条の2に基づき、高等裁判所が上告審として下した終局判決に対し、最高裁判所へ上告(再上告)を申し立てるには、当該判決において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かについてなされた判断が不当であることを理由とする場合に限られる。
重要事実
上告人は、高等裁判所が上告審として下した終局判決を不服とし、最高裁判所に対して上告(再上告)を申し立てた。しかし、上告人が提出した上告理由書には、原判決の憲法適合性の判断に関する不服が含まれていなかった。
あてはめ
本件の上告理由書を確認すると、法律・命令等の憲法適合性に関する判断の不当を指摘する記載が含まれていない。再上告が適法とされるには、判決における憲法判断の誤りを指摘することが不可欠であるところ、本件の上告理由はこれに該当しないため、適法な上告理由とは認められない。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
本判決は、現在の民事訴訟法327条1項が定める「最高裁判所への上告(特別上告等)」の制限と同様の趣旨を示す。上告審たる高裁判決に対する再上告においては、単なる法令違反は理由にならず、憲法違反のみが適法な理由となるという厳格な要件を再確認するものである。
事件番号: 昭和28(テ)3 / 裁判年月日: 昭和28年12月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が上告審としてなした終局判決に対し、最高裁判所にさらに上告(特別上告)をなし得るのは、当該判決の憲法判断の不当性を争う場合に限られる。単に「基本的人権の侵害」という文言を用いて手続規定の解釈を争うことは、正当な違憲の主張には当たらない。 第1 事案の概要:上告人は、高等裁判所が上告審とし…
事件番号: 昭和24(ク)24 / 裁判年月日: 昭和24年8月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合を除いては、これをすることができない。特別抗告(民訴法419条の2、現行336条1項)は憲法の判断が不当であることを理由とする場合に限られ、それに該当しない抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が、下級裁判所の決…
事件番号: 昭和28(ク)262 / 裁判年月日: 昭和28年11月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特別に認めた場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法適合性に関する判断の不当を理由とするもの(特別抗告)に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所への抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における…
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、対象となる決定又は命令に対し、法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能な状況にあった。しかし、申立人は通…