判旨
憲法14条違反を主張していても、その実質が原審の証拠判断や事実認定を非難するにすぎない場合は、正当な違憲の主張には当たらない。
問題の所在(論点)
事実認定の不当を憲法14条違反として主張することが、適法な憲法違反の上告理由にあたるか。
規範
上告理由としての憲法違反の主張が認められるためには、具体的かつ正当な憲法解釈上の論点が含まれている必要がある。単に原審の証拠の取捨選択や事実認定の不当を訴えるために憲法条項を引用するにすぎない場合は、実質的に事実誤認を主張するものと解され、適法な上告理由としての違憲の主張には当たらない。
重要事実
上告人は、原審の証拠判断および事実認定を不服とし、これが憲法14条(法の下の平等)に違反する旨を主張して上告を申し立てた。しかし、その主張の具体的な内容は、原審の認定プロセスの誤りを指摘するものであった。
あてはめ
上告人は憲法14条違反を主張しているが、その論旨を検討すると、結局のところ原審における証拠の判断や事実の認定を非難するにとどまっている。これは憲法の解釈に関する問題ではなく、事実に係る不服を憲法違反という形式に名をかりて主張しているものといえる。
結論
上告人の主張は実質的な事実誤認の非難にすぎず、憲法違反の主張には当たらないため、本件上告は棄却される。
実務上の射程
司法試験の民事訴訟法における上告受理申立てや上告理由の検討において、形式的な違憲主張と実質的な事実誤認主張を区別する際の根拠として活用できる。特に事実認定への不服を憲法違反に仮託して主張する手法を否定する際の基準となる。
事件番号: 昭和27(オ)850 / 裁判年月日: 昭和29年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件上告は、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律の定める上告理由のいずれにも該当せず、法令の解釈に関する重要な主張も含まないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人は、原判決を不服として上告を申し立てたが、提出された論旨の内容が上記特例法に定める要件を満たしているか…
事件番号: 昭和25(オ)317 / 裁判年月日: 昭和27年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まれない場合には、上告が棄却される。 第1 事案の概要:上告人が民事上告を提起したが、その主張(論旨)が当時の特例法1号から3号までのいずれの事由にも該当せず、かつ、法令の…
事件番号: 昭和26(オ)563 / 裁判年月日: 昭和27年5月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が、原審の判断に不服があるとして最高裁判所に上告を提起したが、上告理由として主張された内容の具体的事実は判決文からは不明である。 第2 問題の所…
事件番号: 昭和26(オ)592 / 裁判年月日: 昭和27年2月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】書証の原本と写しの同一性に関する事実誤認の主張は、単なる手続違背の主張にすぎず、憲法32条違反等の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:上告人は、原審に提出された書証(甲第5号証)の写しが口頭弁論に顕出された原本と異なる内容であるにもかかわらず、原判決がこれを原本と即断・誤解して事実認定の資…
事件番号: 昭和26(オ)181 / 裁判年月日: 昭和26年8月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、その上告理由の当否が争われた。判決文からは具体的な原因事実や争点となった実体法上の権利関係につ…