判旨
過失犯として公訴が提起された事案において、その後に適式な訴因および罰条の変更手続を経ることで、故意犯へと訂正し裁判を行うことは許容される。
問題の所在(論点)
過失犯として提起された公訴について、訴因・罰条の変更により故意犯へ訂正することが刑事訴訟法上認められるか。特に、過失と故意という主観的態様の差異を跨ぐ訴因変更の可否が問題となる。
規範
当初、過失犯として起訴された場合であっても、刑事訴訟法に基づく適式な訴因変更(312条1項)および罰条変更の手続を経ることで、故意犯を対象とする公判審理に移行することができる。
重要事実
被告人は過失犯の容疑で起訴されたが、公判の過程において、検察官により適式に訴因および罰条の変更が請求され、故意犯を内容とするものに訂正された。弁護人は、このような変更が認められたことを不服として、事実誤認等を理由に上告した。
あてはめ
本件では、当初の過失犯としての起訴内容に対し、その後の公判手続において適式な訴因変更および罰条の変更が行われている。過失犯から故意犯への変更は、公訴事実の同一性(312条1項)の範囲内であれば適法になし得る。記録に照らしても、職権で破棄すべき違法(411条)は認められず、手続は適正に履行されているといえる。
結論
過失犯から故意犯への訴因および罰条の変更は適法であり、本件上告は棄却される。
実務上の射程
過失犯と故意犯の間での訴因変更が可能であることを示した。実務上は、主観的要素(故意の有無)の主張に変動が生じる場合であっても、基本的事実(行為・結果・因果関係)に同一性が認められる限り、変更手続によって対応できることを示唆している。
事件番号: 昭和29(あ)1539 / 裁判年月日: 昭和31年9月11日 / 結論: 棄却
児童福祉法第六〇条第三項により故意犯と過失犯とに同様の法定刑を科することは憲法第一一条に違反しない。