判旨
裁判所は、量刑を判断するに際して、罪質、犯行の動機、態様、被告人の性行、経歴、環境、および犯行後の情況といった一切の資料を総合的に考慮すべきである。
問題の所在(論点)
量刑の適正さを判断するにあたり、裁判所が考慮すべき要素およびその判断枠組みが問題となる。
規範
量刑の不当を理由とする控訴趣意に対し、裁判所が第一審の量刑を維持するか否かを判断するにあたっては、罪質、犯行の動機、態様、被告人の性行、経歴、環境、および犯行後の情況等、量刑の基礎となるべき一切の資料を総合的に斟酌して判断すべきである。
重要事実
被告人が上告を提起した事案。弁護人は、原判決の量刑判断において憲法違反があると主張したが、原審は記録および事実取調べの結果に基づき、本件の罪質、動機、態様、被告人の性行や経歴、環境、犯行後の情況といった一切の資料を総合考慮し、第一審の量刑は不当ではないと判示していた。
あてはめ
原判決は、記録や事実取調べの結果から判明した具体的な罪質や犯行の動機、態様、被告人のパーソナリティ(性行・経歴)や置かれた環境、さらに犯行後の情状といった多角的な視点から検討を行っている。これらの要素は「量刑の基礎となるべき一切の資料」に該当し、これらを総合的に斟酌した上で第一審の量刑を維持した判断プロセスには不当な点は認められない。
結論
原判決の量刑判断に誤りはなく、刑訴法411条を適用すべき事由も認められないため、本件上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事実務における量刑判断の考慮要素(いわゆる犯情事項および一般情状)を網羅的に示したものであり、答案作成上は量刑の不当性を論じる際の一般的・網羅的な判断枠組みとして活用できる。
事件番号: 昭和30(あ)1283 / 裁判年月日: 昭和30年9月16日 / 結論: 棄却
児童福祉法第三四条第一項第七号にいう「児童を引き渡す行為」は児童の意思に反すると否と、また犯人が職業としてこれを行うと否とを問わず成立するものと解すべきである。