判旨
上告理由が、事実誤認、単なる法令違背、または第一審と異なる認定・解釈の理由不開示にすぎない場合は、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」の定める重要事項に該当せず、適法な上告理由とはならない。
問題の所在(論点)
事実誤認や理由不備の主張が、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」にいう「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものとして、最高裁判所が受理すべき適法な上告理由に該当するか。
規範
上告裁判所は、上告理由が単なる事実誤認や法令違背の主張にとどまり、かつ「法令の解釈に関する重要な事項」を含まない場合には、上告を棄却すべきである。
重要事実
上告人は、原判決が争いのある事実を争いがないと誤認した点や、第一審判決と異なる認定・法律解釈を採用した際にその理由を開示しなかった点、およびその他の法令違背を理由として上告を申し立てた。なお、原判決は、本件契約が条件不成就により効力を生じず、かつ合意解消されたと判断していた。
あてはめ
上告人の主張は、事実誤認や単なる法令違背、あるいは理由不開示の指摘にすぎない。原判決が争いのある事実を争いなしとした点に形式的な違法があったとしても、判決自体は証拠に基づき適切に事実を認定している。また、契約の効力について条件不成就や合意解消を認めた原審の判断に影響を及ぼすような、法令の解釈に関する重要な主張は見当たらない。
結論
本件上告は、適法な上告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
昭和25年当時の民事上告特例法下における判断であるが、現行の民事訴訟法における上告受理申立ての要件(318条1項:判例抵触その他の法令解釈に関する重要事項)の解釈においても、単なる事実誤認や判決結果に影響しない瑕疵が対象外であることを示す基本的態度として参照しうる。
事件番号: 昭和29(オ)128 / 裁判年月日: 昭和29年10月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、単なる訴訟法違反や事実誤認の主張は上告理由に該当せず、法令解釈に関する重要な主張も含まれない場合は上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した上告について、その論旨が単なる訴訟法違反および事実誤認の主張にとどまるもので…
事件番号: 昭和28(オ)633 / 裁判年月日: 昭和28年10月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が更正決定によるべき事項や事実認定の非難にすぎず、法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の不服を申し立てて上告したが、その主張内容は更正決定によって解決されるべき事項、または原審の事実認定を非難するものであった。 第2 問題の所在…
事件番号: 昭和27(オ)1008 / 裁判年月日: 昭和28年4月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合は、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、その上告理由の内容が検討された。なお、具体的な事案の詳細は判決文からは不明である。 第…
事件番号: 昭和27(オ)609 / 裁判年月日: 昭和30年4月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件において、上告理由が特例法に定める上告理由のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人は、本件土地が特別都市計画区域外の土地であると主張し、自身の賃借申出が有効であるとして争った。しかし、原審(および前審の…