判旨
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律により特に許された場合に限られ、現行法上は憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2、現行412条・412条の2参照)のみがこれに当たる。
問題の所在(論点)
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するための要件、および最高裁判所に対する抗告における適法な抗告理由の範囲が問題となる。
規範
最高裁判所に対する抗告申立てには民事訴訟法上の通常の抗告に関する規定(旧413条等)は適用されない。最高裁が裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合に限られ、民事事件においては原決定における憲法適合性の判断の不当を理由とする場合に限定される。
重要事実
抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案である。本件抗告の具体的な内容や先行する下級審の裁判の詳細は判決文からは不明であるが、抗告理由として原決定における憲法適合性の判断を争う事由が含まれているか否かが争点となった。
あてはめ
最高裁判所が裁判権を持つ民事抗告事件は、法律が特に認めた旧民訴法419条の2(現行法の特別抗告に相当)の事由、すなわち憲法違反の判断が含まれる場合に限られる。本件において、一件記録によれば抗告理由が憲法適合性の判断の不当をいうものに当たらないことが明らかである。したがって、本件抗告は、最高裁判所が受理し得る適法な抗告としての要件を欠いていると解される。
結論
本件抗告は不適法であり、却下されるべきである。
実務上の射程
最高裁への不服申立てが「特別抗告」または「許可抗告」に限られるという民事訴訟制度の基本構造(裁判権の限定)を確認した判例である。答案上は、通常の抗告規定が最高裁に準用されない根拠として、憲法上の最高裁の地位と訴訟法による裁判権の限定を説明する際に活用できる。
事件番号: 昭和26(ク)134 / 裁判年月日: 昭和26年8月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を持つのは、法律が特に認めた場合に限られ、その抗告理由は原決定における憲法判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人は、原決定(詳細は判決文からは不明)に対して不服を申し立てたが、その主張内容は憲法判…
事件番号: 昭和26(ク)136 / 裁判年月日: 昭和26年7月24日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に最高裁判所への抗告が許容された場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級審の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告…
事件番号: 昭和26(ク)137 / 裁判年月日: 昭和26年9月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律により特に許された場合に限られ、現行法上は憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2、現行336条)のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、その抗告理由は原決定における法律・…
事件番号: 昭和26(ク)148 / 裁判年月日: 昭和26年10月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に最高裁判所への抗告申立てを許容した場合に限られる。民事事件においては、原決定における憲法判断の不当を理由とする抗告(旧民訴法419条の2)のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対し、民事事件に関する抗告を申し立てた事…
事件番号: 昭和26(ク)5 / 裁判年月日: 昭和26年5月11日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許容された場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2、現行336条1項)のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、…