判旨
民事上告において、原審の証拠取捨選択や事実認定を非難する主張は、特例法上の重要な法令解釈の主張には該当せず、上告を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
原審の証拠取捨選択や事実認定を非難する主張が、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」にいう「法令の解釈に関する重要な主張」に該当するか、あるいは上告理由として適法か。
規範
最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律1号から3号の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。証拠の取捨選択や事実認定の当否は、原則として法令の解釈に関する重要な事項には当たらない。
重要事実
上告人は、原審における証拠の取捨選択および事実認定について不服を申し立て、上告した。具体的には、証人D、E、Fの証言として、当日現金を持参した旨の供述があるにもかかわらず、原審がこれに反する認定をした点を非難するものであった。
あてはめ
上告人の主張は、記録上明らかな証言(現金持参の供述)と原審の認定の整合性を問うものであるが、これは本質的に原審の専権に属する証拠の取捨判断および事実認定を非難するにとどまる。かかる主張は、特例法1号から3号のいずれにも該当せず、また、法的な解釈の統一を要するような「法令の解釈に関する重要な主張」を構成するものとは認められない。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
事実誤認を実質的な上告理由とする主張を排斥する際、上告審の審査範囲を画定する根拠として言及される。ただし、本判決は簡潔な棄却決定の形式を取っており、具体的な認定の合理性までは踏み込んでいない。
事件番号: 昭和24(オ)25 / 裁判年月日: 昭和25年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実認定および証拠の取捨選択は原審(事実審)の専権事項であり、経験則違背等の特段の事情がない限り、上告審がこれを覆すことはできない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が認定した各事実について、経験則違背や審理不尽等の違法があると主張して上告を申し立てた。しかし、具体的な事案の内容や争点となった具…
事件番号: 昭和26(オ)65 / 裁判年月日: 昭和28年6月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件において、上告理由が特例法所定の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した本件上告において、その論旨が上記特例法1条1号ないし3号のいずれの事由にも該当しないものであった事案である。 第2 問題の所在…
事件番号: 昭和26(オ)563 / 裁判年月日: 昭和27年5月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が、原審の判断に不服があるとして最高裁判所に上告を提起したが、上告理由として主張された内容の具体的事実は判決文からは不明である。 第2 問題の所…
事件番号: 昭和25(オ)322 / 裁判年月日: 昭和26年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告において、原判決の証拠の取捨選択又は事実認定を非難するにすぎない主張は、上告審での調査を要する事項に当たらないとして棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が行った証拠の取捨選択や事実の認定が不当であると主張して上告を提起したが、憲法違反等の具体的な法的瑕疵については提示しなかった…