判旨
民事上告において、原審の証拠取捨・事実認定の非難や、単なる訴訟法違反の主張は、上告受理の要件たる法令解釈に関する重要な事項を含まない限り、適法な上告理由とはならない。
問題の所在(論点)
事実認定の非難や単なる訴訟法違反の主張が、民事上告において「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものとして認められるか。
規範
「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」に基づき、上告理由が単なる事実認定の不当性(証拠の取捨選択の非難)や、法令の解釈に関する重要な主張を含まない単なる訴訟法違反にとどまる場合は、上告を棄却すべきである。
重要事実
上告人は、原審の証拠取捨判断および事実認定を非難し(論旨第一点)、さらに訴訟法違反(論旨第二点)を主張して上告を提起した。
あてはめ
上告人の主張のうち、事実認定に関する非難は原審の裁量に属する証拠評価を争うものであり、また訴訟法違反の主張についても、法が定める特例のいずれにも該当せず、かつ法令解釈上の重要性も認められない。
結論
本件上告は不適法または理由がないため、棄却される。
実務上の射程
事実誤認や単なる訴訟手続の違背を理由とする上告は原則として認められず、憲法違反や判例違反、または法令解釈の重要性を基礎づける必要があることを示す(民事訴訟法第312条等の上告理由の検討に際して参照)。
事件番号: 昭和26(オ)300 / 裁判年月日: 昭和28年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が事実誤認、単なる訴訟法違反、または他者に対する判断の攻撃にすぎない場合、上告は棄却される。民事上告事件の特例法に定める適法な上告理由を備えない主張は認められない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決に事実誤認または単なる訴訟法違反があるとして上告を申し立てた。また、上告理由は原審の相被控…