判旨
裁判所が審判の請求を受けない事実について判決をしたとの主張につき、原審がこれを否定した判断は正当であり、刑訴法378条3号の不告不理の原則に違反しない。
問題の所在(論点)
裁判所が判決の基礎とした事実が、検察官により適法に公訴提起された範囲(審判の請求を受けた範囲)に含まれているか、すなわち不告不理の原則(刑訴法378条3号)に抵触するか。
規範
刑事訴訟における審判の対象は、検察官の公訴提起により指定された公訴事実(刑訴法256条3項)に限定される。裁判所が審判の請求を受けていない事件について判決をすることは、不告不理の原則に反し、重大な訴訟手続の法令違反(刑訴法378条3号)となる。
重要事実
被告人は刑事事件について起訴され、下級審において有罪判決を受けた。これに対し、弁護人は「裁判所が審判の請求を受けない事件について判決をした違法がある」と主張して上告を申し立てた。
あてはめ
原審の判断記録を精査したところ、判決の対象となった事実は適法な公訴提起の範囲内にあり、審判の請求を受けていない事実について判決をした事実は認められない。したがって、不告不理の原則に違反するとの主張は、前提となる事実を欠いており、原審の判断は正当であるといえる。また、その他の記録を調べても、職権により判決を取り消すべき事由(刑訴法411条)は見当たらない。
結論
本件において、審判の請求を受けない事件について判決をした違法があるとはいえないため、上告を棄却する。
実務上の射程
刑事訴訟法における不告不理の原則を確認する事例。実務上、訴因変更の要否や裁判所の審判範囲が争点となる際、前提となる裁判所の審理義務の限界を示すものとして位置づけられる。ただし、本決定自体は個別事案の事実認定に基づくものであり、具体的な判断基準の詳細は先行判例に依拠する。
事件番号: 昭和28(あ)3015 / 裁判年月日: 昭和33年3月27日 / 結論: 棄却
一 児童福祉法第六〇条第三項本文は、児童を使用する者において「児童の年齢を知らないこと」が刑訴法第三三五条第二項にいう「法律上犯罪の成立を妨げる理由となる事実」にあたらない旨を規定するものである。 二 児童福祉法第六〇条第三項但書は、児童を使用する者において児童の年齢を知らないことにつき「過失のない」ことが、刑訴法第三…