判旨
量刑不当の主張は、実質的に憲法違反をいうものであっても刑訴法405条の上告理由には当たらない。また、刑訴法405条が量刑不当を上告理由としていないことは憲法13条等に反しない。
問題の所在(論点)
量刑不当の主張を憲法違反として構成した場合、刑訴法405条の上告理由として認められるか。また、同条が量刑不当を上告理由としないことが憲法13条等に違反しないか。
規範
刑訴法405条各号に掲げられた上告理由(憲法違反、憲法解釈の誤り、最高裁・高裁の判例相反)に該当しない主張、特に実質において単なる量刑不当をいう主張は、適法な上告理由とはならない。
重要事実
弁護人が憲法違反を理由として上告を提起したが、その主張の実質は、原判決の量刑が不当であるという点に帰するものであった。
あてはめ
弁護人の主張は形式的には違憲をいうが、その実質は量刑不当の主張に帰するものである。したがって、刑訴法405条の上告理由にあたらない。また、過去の判例(最大判昭23.6.23等)に照らし、同条が量刑不当を上告理由から除外していることは憲法に違反するものではない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に該当しないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事訴訟法上の上告理由の限定性を示す基本的事例である。答案上は、憲法違反を主張していても実質が量刑不当である場合には上告理由として不適法であることを指摘する際に用いる。
事件番号: 昭和47(あ)789 / 裁判年月日: 昭和47年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反の主張が実質的に判例変更を求めるものである場合や、量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:上告人は、憲法違反および量刑不当を理由として上告を申し立てた。しかし、憲法違反の主張は実質的に従来の最高裁判例の変更を求める内容であり、量刑不当の主張は法定制限…
事件番号: 昭和27(あ)5353 / 裁判年月日: 昭和28年7月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意が憲法違反を主張するものであっても、その実質が単なる訴訟法違反や量刑不当の主張に帰する場合には、刑事訴訟法405条の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人A及び被告人Bが、それぞれ弁護人を通じて最高裁判所に上告を申し立てた事案である。弁護人らは上告趣意において「憲法違反」を主張…
事件番号: 昭和25(あ)1886 / 裁判年月日: 昭和26年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑の量定は事実審の裁量に属する事項であり、これに対する不服申し立ては、刑事訴訟法405条の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が、第一審および控訴審の量刑を不服として最高裁判所に上告を提起した事案である。弁護人は、事実審における刑の量定の不当性を主張し、判決の破棄を求めた。 第2 問…
事件番号: 昭和26(れ)939 / 裁判年月日: 昭和26年9月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の量刑不当の主張は刑事訴訟法405条の上告理由に該当せず、また、記録を精査しても同法411条を適用して原判決を破棄すべき顕著な事由は認められない。 第1 事案の概要:被告人が量刑不当を理由として上告を申し立てた事案であるが、提出された上告趣意書の内容は、単に刑の量定が重すぎるという主張にとど…