判旨
裁判所の管轄が法令に基づき適切に指定されている場合、および起訴された公訴事実の範囲内に特定の所持行為が包含されていることが明白である場合、管轄違いや訴因外の認定といった訴訟法違反の主張は認められない。
問題の所在(論点)
裁判所法施行令に基づく管轄指定の適否、および、特定の事実(日本刀の所持)が公訴事実の範囲内に包含されているといえるか。
規範
裁判所の所管(管轄)は、裁判所法施行令等の関係法令に基づき決定される。また、有罪判決の対象となる事実は、公訴事実の範囲内に包含されていることを要するが、その包含関係が明白である場合には、適法な審判対象となる。
重要事実
被告人が日本刀を所持していた等の事実について、仙台地方裁判所が本件の管轄裁判所として審理を行った。弁護人は、本件が仙台地裁の所管ではないこと(管轄違い)、および日本刀の所持が公訴事実に含まれていないことを理由に、訴訟法違反等を主張して上告した。
あてはめ
本件は裁判所法施行令3条2項および3項により、仙台地方裁判所の所管となったものである。また、日本刀の所持という事実については、本件の公訴事実の中に包含されていることが記録上明白である。したがって、管轄の誤りや訴因外の認定といった違法は存在しないと判断される。
結論
本件上告は、訴訟法違反の主張に理由がないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
管轄の有無や訴因の範囲(包含関係)を検討する際の基礎的な判断を示す。特に、明示的な訴因の記載がなくとも、公訴事実の文脈から当然に読み取れる事実(包含された事実)については、訴因変更の手続きを経ずとも審判対象とし得る可能性を示唆している。
事件番号: 昭和26(れ)630 / 裁判年月日: 昭和26年6月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告趣意が事実誤認または量刑不当の主張、あるいは原審の認定しない事実に基づいた批判にすぎない場合には、上告の適法な理由にならないことを示したものである。 第1 事案の概要:被告人側が原判決に対して上告を申し立てたが、その上告趣意の内容は、原審の事実認定に誤りがあるとする主張や、量刑が不当で…
事件番号: 昭和26(れ)157 / 裁判年月日: 昭和26年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認または量刑不当の主張は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対して上告を申し立てた事案。弁護人が提出した上告趣意書において、原判決における事実の認定に誤りがあること、および、宣告された刑の量定が不当に重いことを主張した。 第2…
事件番号: 昭和25(あ)2061 / 裁判年月日: 昭和26年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法405条に規定される上告理由に当たらない主張や、同法411条の職権破棄事由が認められない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の訴訟手続違反、および量刑の不当または量刑に関する事実の誤認を理由として上告を申し立てた。これに対し、最高裁判所が記録を精査し、上…
事件番号: 昭和26(れ)316 / 裁判年月日: 昭和26年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法応急措置法13条2項(現行の刑事訴訟法405条等に相当)に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人は、原審の判決に対して上告を申し立てたが、その上告趣意の内容は、一審および二審の量刑が重すぎるという量刑不当を主張するものであった。 第2 問…
事件番号: 昭和26(れ)477 / 裁判年月日: 昭和26年6月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が単なる量刑不当の主張に帰する場合、刑事訴訟法応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起したが、その上告趣意の内容が実質的に原判決の量刑が不当であるという点に尽きていた事案である。 第2 問題の所在(論点):上告趣意が単なる量刑不当の…