判例と相反する判断をしたことを理由として上告の申立をした場合には、上告趣意書にその判例を具体的に示さなければならない(刑訴規則第二五三條)のに、その摘示がないし、又刑訴法第四一一條を適用すべきものと認められないから、同法第四一四條第三八六條第一項第二號により主文のとおり決定する(上告棄却)
判例に反する判斷をしたことを理由とする上告趣意書にその判例を具体的に召されていない場合上告の適否
刑訴法405條,刑訴法407條,珪素規則253條
判旨
判例違反を理由に上告を申し立てる場合には、刑訴規則253条に基づき、上告趣意書において当該判例を具体的に摘示しなければならない。
問題の所在(論点)
判例違反を理由とする上告において、上告趣意書に具体的な判例の摘示がない場合の上告の適否。
規範
刑事訴訟規則253条に基づき、最高裁判所の判例または大審院の判例と相反する判断をしたことを理由として上告の申立てをする場合には、上告趣意書においてその判例を具体的に示さなければならない。
重要事実
弁護人が、原判決には最高裁判所および大審院の判例に違反して理由不備の違法があると主張して上告を申し立てた。しかし、当該上告趣意書において、違反とされる対象の判例が具体的に示されていなかった。
事件番号: 昭和25(あ)3420 / 裁判年月日: 昭和26年11月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:上告人が、原判決の量刑が不当であるとして上告を申し立てた事案。なお、具体的な犯罪事実や第一審・控訴審の経緯、量刑の詳細は判決文からは不明。 第2 問題の所在(論点):量刑不当を理由とする上告が、刑事訴訟法40…
あてはめ
本件では、上告趣意において判例違反が主張されているものの、刑事訴訟規則253条が定める具体的な判例の摘示が欠けている。また、裁判所が職権で原判決を破棄すべき刑訴法411条の事由も認められない。したがって、適法な上告理由を備えていないといえる。
結論
具体的な判例の摘示がない本件上告は不適法であり、刑訴法414条、386条1項2号により棄却される。
実務上の射程
上告趣意書の作成実務において、判例違反を主張する際の形式的要件(規則253条)の遵守を求めるものである。答案作成上は、上告受理申立てや上告理由の記載の有効性を論ずる際の前提知識として機能する。
事件番号: 昭和26(あ)4204 / 裁判年月日: 昭和28年4月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審において主張されていない憲法違反を上告理由とすることはできず、原審が判断を示さなかったことに違法はない。 第1 事案の概要:被告人の弁護人が上告を提起し、憲法違反を主張した。しかし、原審(控訴審)に提出された控訴趣意書の内容を確認すると、その主張は量刑不当の主張に留まるものであった。原判決に…
事件番号: 昭和25(あ)1185 / 裁判年月日: 昭和26年6月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張する上告であっても、その実質が刑事訴訟法411条に該当する事由を主張するにすぎない場合は、適法な上告理由にはならない。 第1 事案の概要:被告人の弁護人が憲法違反を理由として上告を申し立てた。しかし、その主張の実質は、判決に影響を及ぼすべき事実誤認や法令違反といった、刑訴法411条の…
事件番号: 昭和25(あ)1105 / 裁判年月日: 昭和26年6月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、刑訴法405条の上告理由に該当しないとして上告を棄却した。具体的な判断理由は示されていないが、職権調査によっても同法411条の破棄事由は認められないとしている。 第1 事案の概要:被告人が原判決(具体的な罪状や事実関係は本判決文からは不明)に対して上告を申し立てた。弁護人は上告趣意書を提…
事件番号: 昭和26(れ)556 / 裁判年月日: 昭和26年9月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】原審の証拠価値の判断(自由心証)を非難し事実誤認を主張する上告理由は、刑訴法405条の適法な上告理由には該当しない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決における証拠価値の判断を不当として非難し、その結果として事実の誤認があると主張して上告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):原審の証拠価値の判…