食糧管理法が違憲でないことに付ては當裁判所大法廷昭和二三年(れ)第二〇五號事件(同年九月二九日言渡)の判示する通りである。
食糧管理法の合憲性
憲法25條1項,食糧管理法9條31條
判旨
食糧管理法による経済的規制は、公共の福祉に適合するものであり、憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
食糧管理法による食糧配給・価格等の統制が、憲法上の権利を不当に制限するものであり、違憲とされるか否か。
規範
特定の経済的規制法(食糧管理法等)が憲法に違反するか否かは、当該規制が公共の福祉を維持するために必要かつ相当な範囲内にあるか否かによって判断される。先行する大法廷判決(昭和23年9月29日判決)の趣旨に基づき、公共の福祉による制限として合理性を有するものは合憲とされる。
重要事実
被告人は食糧管理法違反の罪に問われ、同法の規定が憲法に違反するものであると主張して上告した。原審は被告人の行為を同法違反と認定していたが、被告人は具体的な違法事由を明示せずに上告を提起した。
あてはめ
本件において被告人は原判決の違法性を具体的に主張していない。また、食糧管理法の合憲性については、既に最高裁大法廷が昭和23年(れ)第205号事件において、公共の福祉に基づく制限として合憲であるとの判断を示している。本件においても、この判示を維持し、同法を違憲とする理由は認められない。
結論
食糧管理法は違憲ではなく、同法違反を認めた原判決に違法はないため、上告を棄却する。
実務上の射程
経済的自由に対する規制の合憲性判断において、初期の最高裁が「公共の福祉」を根拠に広範な立法裁量を認めた事例として位置づけられる。答案上は、食糧等の国民生活に不可欠な物資の統制に関する合憲性判断の先例として、必要最小限の言及にとどめるべきである。
事件番号: 昭和28(あ)3076 / 裁判年月日: 昭和28年11月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法、同施行令、同施行規則が憲法に違反しないことは、昭和23年の大法廷判例の趣旨に照らし明らかであり、合憲である。被告人の上告趣意に正当な理由は認められず、上告は棄却されるべきである。 第1 事案の概要:被告人は食糧管理法等の規定に違反したとして起訴されたが、当該法令は日本国憲法に違反するも…