判旨
民事訴訟の控訴審は続審であるため、適法な控訴申立てがある限り、控訴人が控訴趣意を陳述しなくても裁判所は本案判決をすることができる。
問題の所在(論点)
控訴審において、控訴人が控訴趣意を陳述しない場合であっても、裁判所は本案について判断を示すことができるか。控訴審の構造(続審制)と本案判決の可否が問題となる。
規範
民事訴訟における控訴審の性質は、第一審手続を継続し、その審理結果を基礎として審理を継続する「続審」である。したがって、適法な控訴の申立てがなされた以上、控訴審裁判所は当然に審判の対象となるべき事項について判断を示す権限と義務を有する。
重要事実
控訴審において、上告人(控訴人)が事件の本案について特段の控訴趣意の陳述を行わなかった。しかし、原審(控訴審裁判所)は控訴趣意の陳述がないまま本案についての判断を示したため、上告人はこれが違法であるとして上告した。
あてはめ
控訴審は第一審の続審であるから、第一審での審理や提出された証拠等の結果は当然に引き継がれる。適法な控訴が申し立てられたことで、事件は控訴審に係属し、審判の対象が確定している。したがって、控訴人が改めて控訴趣意を陳述するか否かにかかわらず、裁判所が本案について判断を下すことは、続審制の性質から導かれる当然の結果といえる。
結論
控訴人が控訴趣意を陳述しなかったとしても、原審が本案について判断を示したことは正当であり、違法ではない。
実務上の射程
民事訴訟における控訴審の「続審制」を端的に示した判例である。刑訴法(覆審・事後審)と異なり、民訴法上は控訴趣意書の提出や陳述が本案判決の必須の前提条件(欠格事由)ではないことを確認する際に用いる。
事件番号: 昭和26(オ)374 / 裁判年月日: 昭和26年11月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、上告理由が同法所定の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人らが最高裁判所に対して民事上告を提起した事案である。判決文からは具体的な争点となった事件の詳細は…