判旨
強盗致死罪の成立に際し、窃盗、詐欺、恐喝の各罪に関する判例の判示は必ずしも適切ではなく、強盗罪の独自の性質に照らして判断されるべきである。また、証拠物である凶器の認定において、物件の形状が異なれば別個の物として扱うべきである。
問題の所在(論点)
強盗致死罪の成否を判断するにあたり、窃盗罪・詐欺罪・恐喝罪に関する判例を直接援用することができるか。また、没収の対象となる物件の同一性をどのように判断すべきか。
規範
強盗罪(刑法236条)および強盗致死傷罪(同240条)の解釈にあたっては、他人の財物を奪取する際の手段として暴行・脅迫を用いるというその特質に鑑み、窃盗罪、詐欺罪、恐喝罪における判例の判示をそのまま適用することは適切ではない。また、没収対象となる物件の特定においては、その形状や性質(例:長い刀・日本刀と、短刀・匕首)の客観的な差異を重視して判断すべきである。
重要事実
被告人が強盗致死等の罪に問われた事案において、弁護人は窃盗罪や詐欺罪、恐喝罪に関する判例を引用して無罪または減刑を主張した。また、原審において没収の対象となった「短刀」および「匕首」について、弁護人は「長い刀」や「日本刀」と混同されている旨の主張を行った。
あてはめ
弁護人が援用した判例は、窃盗罪、詐欺罪、または恐喝罪に関するものであり、暴行・脅迫を手段とする強盗の性質を有する本件には適切ではない。また、事実認定の点において、弁護人が主張する「長い刀」や「日本刀」と、実際に没収された「短刀」や「匕首」とは、その形状および性質において明確に区別される別個の物であるといえる。したがって、これらを混同した主張には理由がない。
結論
本件強盗致死罪の成立を認め、窃盗・詐欺・恐喝に関する判例の適用を否定した原判決は正当である。また、凶器の認定に誤りはなく、上告を棄却する。
事件番号: 昭和26(れ)713 / 裁判年月日: 昭和26年7月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】証拠の取捨選択や事実認定に関する非難、および量刑不当の主張は、刑事訴訟応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原判決の証拠取捨選択および事実認定を非難し、あわせて量刑が不当であるとして上告を申し立てた事案。 第2 問題の所在(論点):原審の専権事項で…
実務上の射程
強盗罪の検討において、他の財産犯(特に占有移転の態様が異なる詐欺・恐喝)の判例を安易に類推適用することへの警鐘を鳴らすものである。実務上は、強盗罪特有の「反抗抑圧」に足りる暴行・脅迫という構成要件に即した検討が求められる。
事件番号: 昭和25(あ)2892 / 裁判年月日: 昭和26年8月9日 / 結論: 棄却
照準が破棄されていても拳銃の発射機能がないとはいえないし、また、弾丸が伴わなくとも鉄砲所持禁止令違反たるを免れないこと多言を要しない。
事件番号: 昭和26(れ)316 / 裁判年月日: 昭和26年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法応急措置法13条2項(現行の刑事訴訟法405条等に相当)に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人は、原審の判決に対して上告を申し立てたが、その上告趣意の内容は、一審および二審の量刑が重すぎるという量刑不当を主張するものであった。 第2 問…
事件番号: 昭和24(れ)3096 / 裁判年月日: 昭和25年5月2日 / 結論: 棄却
被告人らの刀劍所持は強盜の犯行の前後にわたるものであつて、強盜の手段として所持したのではなく、かつ刀劍の所持と強盜行爲との間に通常手段結果の關係があるというわけではないのであるから、原審が本件に刑法第五四條を適用せずして第四五條を適用したのは適法である。
事件番号: 昭和26(れ)157 / 裁判年月日: 昭和26年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認または量刑不当の主張は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対して上告を申し立てた事案。弁護人が提出した上告趣意書において、原判決における事実の認定に誤りがあること、および、宣告された刑の量定が不当に重いことを主張した。 第2…