判旨
憲法違反を主張する上告趣意であっても、その実質が単なる量刑不当の主張に帰する場合には、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
上告趣意において「憲法違反」という形式をとっていても、実質が「量刑不当」である場合に、適法な上告理由(刑訴法405条等)として認められるか。
規範
上告理由として憲法違反を主張する場合であっても、その主張の実質が量刑の不当を訴えるものであるときは、刑事訴訟法等の規定に照らし、適法な上告理由として認められない。
重要事実
被告人側が憲法違反を理由として上告を申し立てた事案。しかし、その主張内容を精査したところ、実質的には量刑が重すぎるという不服申し立てにすぎないものであった。
あてはめ
弁護人が主張する憲法違反の趣意は、その実質を検討すると結局のところ量刑不当の主張に帰する。刑訴応急措置法13条2項(現行刑訴法405条の趣旨参照)によれば、単なる量刑不当は上告適法の理由にはならないため、本件の主張は不適法といえる。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
形式的に憲法違反の語を用いていても、実質が量刑不当であれば不適法として門前払いされることを示す。答案上は、上告理由の適格性を論じる際、主張内容の実質的検討が必要であるという文脈で活用できる。
事件番号: 昭和26(れ)1333 / 裁判年月日: 昭和26年10月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反の主張が実質的に刑訴法411条の職権破棄事由の主張にすぎない場合、それは適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が、原判決等に対して憲法違反を理由として上告を申し立てた事案。しかし、その主張の具体的な内容は、憲法の抽象的な解釈を争うものではなく、実質的には原判決の事実誤認や…
事件番号: 昭和26(れ)2008 / 裁判年月日: 昭和27年2月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由には該当しない。 第1 事案の概要:被告人が量刑不当を理由として最高裁判所に対し上告を申し立てた事案。 第2 問題の所在(論点):被告人が主張する「量刑不当」が、刑事訴訟法405条の上告理由に該当するか。 第3 規範:最高裁判所への上告理由は、刑事…
事件番号: 昭和24(れ)2895 / 裁判年月日: 昭和26年1月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実認定の妥当性や量刑の不当性を理由とする上告は、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原判決の認定した犯罪事実を争い、また刑罰が重いと主張して上告を申し立てた事案。 第2 問題の所在(論点):事実認定の誤り(事実誤認)および量刑不当の主張が、最高裁判所に対する適法な上告理由と…
事件番号: 昭和26(れ)674 / 裁判年月日: 昭和26年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本判決は、被告人の上告趣意について刑事訴訟法405条の事由に該当しないとし、かつ同法411条を適用して原判決を破棄すべき著しい正義に反する事由も認められないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が上告を申し立てた事案であるが、具体的な公訴事実の内容や下級審の判断、被告人が主張…