判旨
刑事裁判における有罪判決の証拠説示において、数個の犯罪事実に対する証拠を一括して説示することは、直ちに訴訟法上の違法とはならない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上の有罪判決(刑訴法335条1項等)において、複数の犯罪事実に対応する証拠を個別に区分せず一括して説示する手法が許容されるか。
規範
数個の犯罪事実について証拠を提示する場合であっても、それらを一括して説示することは、直ちに刑事訴訟法に違反するものではない。
重要事実
被告人AおよびBは、複数の犯罪事実について起訴され、下級審において有罪判決を受けた。当該判決において、裁判所は複数の犯罪事実に対応する証拠を個別に分けることなく、一括して説示(証拠の挙示)を行った。これに対し、被告人側は、証拠説示の態様が不適切であり訴訟法に違反すると主張して上告した。
あてはめ
判旨は、過去の判例(最判昭和25年9月27日)を引用し、数個の犯罪事実の証拠を一括して説示しても違法ではないと判断した。本件における具体的な証拠の内容や各事実との結びつきの詳細は判決文からは不明であるが、法理として一括説示が否定されないことを確認し、被告人の主張を単なる訴訟法違反の主張にすぎないとして排斥した。
結論
本件の上告を棄却する。数個の犯罪事実に対する証拠の一括説示は適法である。
実務上の射程
判決書の「罪となるべき事実」と「証拠の標目」の対応関係に関する射程である。実務上、複雑な事案では事実ごとに証拠を整理することが望ましいが、判例上は一括挙示も許容される。答案作成においては、証拠説示の明確性が争点となった際の消極的な許容限度を示す根拠として活用できる。
事件番号: 昭和25(あ)446 / 裁判年月日: 昭和25年12月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の自白以外に鑑定書及び差し押さえられた物件が存在する場合、これらを自白と総合して犯罪の客観的事実が認められるならば、補強証拠として十分であり、自白のみによる有罪判決には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が公判廷において自白したが、その自白以外に証拠として、鑑定書、および押収された塩酸コカ…