判旨
組合を株式会社に組織変更する際に組合出資金を株金の払込金に充当する旨の特約を付して出資することは、組合制度の本質に反せず法律上も可能である。また、組合契約の成立認定において、各組合員の具体的な出資価額までを確定することは必ずしも要しない。
問題の所在(論点)
1. 組合出資金を将来の株式会社設立時の株金払込に充当する旨の特約を付してなされた出資の法的有効性。 2. 組合契約の成立を認めるにあたり、各組合員の出資価額の特定が不可欠の要件となるか(民法667条1項の「出資」の認定範囲)。
規範
1. 組合出資金を将来設立される会社の株金払込に充当する旨の特約は、実現方法が想定し得る限り、組合制度の性質に反せず有効である。 2. 組合契約(民法667条1項)が成立したと認めるためには、当事者が出資をして共同の事業を営むことを約した事実があれば足り、個々の出資の具体的な価額までを確定することは、組合契約の成立認定における不可欠の要件ではない。
重要事実
上告人を含む当事者らは、青果市場の経営を目的とする組合を結成したが、将来これを株式会社組織に改組する際には、組合への出資金(14万円)をそのまま新会社の株金払込に充当する旨の特約を付していた。上告人は、このような特約は組合出資の性質を無視するものであり、また個々の組合員の出資価額が不明確であるから組合契約は成立していないと主張して、組合の成立を争った。
あてはめ
1. 組合を会社組織に改組する際、組合出資金を株金払込に充当する方法は事実上・法律上も可能であり、本件特約が直ちに実現不能なものとはいえない。したがって、本件金員は依然として組合出資金としての性質を維持しており、公序良俗等に反することもない。 2. 原審において、被上告人らが従前の組合財産(什器、自動車等)を現物出資した事実が認定されており、当事者らが共同事業を営む合意があったことは証拠上明白である。出資の具体的価額が細かく認定されていなくとも、出資の合意自体は認定可能であり、組合契約の成立を肯定できる。
結論
本件特約を付した出資は有効であり、出資価額の具体的確定がなくても組合契約の成立は認められる。したがって、組合の不成立を前提とする上告人の主張は排斥される。
実務上の射程
組合契約の成立要件における「出資」の認定の緩やかさを示す。特に、法人化を前提とした過渡的な組合形成において、出資内容の厳密な評価や将来の組織変更を見据えた特約があっても、実態として共同事業の合意があれば組合としての成立を認める実務上の指針となる。
事件番号: 昭和29(オ)461 / 裁判年月日: 昭和31年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】社団法人の総会招集手続に瑕疵がある場合、その瑕疵の内容・程度が重大であれば決議は無効となるが、重大でない場合には直ちに無効とはならず、取消原因にとどまる場合がある。 第1 事案の概要:上告法人(社団法人)において、昭和22年3月21日に臨時総会が開催され、決議が行われた。当該総会は当時の理事によっ…