判旨
刑事訴訟法427条に基づき、地方裁判所が抗告裁判所としてした決定に対しては、重ねて抗告(再抗告)をすることは認められない。
問題の所在(論点)
抗告裁判所(本件では地方裁判所)の決定に対し、さらに不服を申し立てる「再抗告」が可能か。また、当該申立を特別抗告として受理できるか。
規範
刑事訴訟法427条および432条の規定に基づき、抗告裁判所が下した決定に対しては、さらに抗告を申し立てることはできない。また、特別抗告として受理されるためには、同法433条に規定される憲法違反や判例相反などの特定の事由が存在する必要がある。
重要事実
申立人は、東京地方裁判所が抗告裁判所として下した決定に対し、不服を申し立てた。申立人はこの申立を東京地方裁判所宛に「再抗告」として提出した。しかし、当該申立の内容には刑訴法433条が規定する特別抗告の事由が含まれていなかった。
あてはめ
刑事訴訟法427条は抗告裁判所の決定に対する不服申立てを禁じている。本件申立は書面上の記載から明らかな通り、抗告裁判所である東京地方裁判所の決定に対する「再抗告」である。さらに、申立理由を確認しても、刑訴法433条が規定する憲法違反等の事由が見当たらないため、特別抗告としての適法性も欠いている。
結論
本件申立は不適法であり、棄却される。抗告裁判所の決定に対する再抗告は認められず、特別抗告の事由もないためである。
実務上の射程
刑事手続における抗告の回数制限(一回制)を確認するものであり、実務上、地方裁判所の決定に対する不服申立ての可否を判断する際の基礎となる。答案上は、決定に対する救済手段の検討において、刑訴法427条による制限の有無を指摘する際に活用できる。
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和28(し)100 / 裁判年月日: 昭和29年2月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条2項及び3項の異議申立てを認める余地はなく、かかる不適法な申立ては特別抗告の対象となり得ない。 第1 事案の概要:申立人は、大分地裁による再審請求棄却決定に対し即時抗告をしたが、福岡高裁から期間経…
事件番号: 昭和28(し)85 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】抗告裁判所が下した決定に対しては、刑訴法433条に基づく特別抗告をなしうるに留まり、当該高等裁判所に対して重ねて異議の申立てをすることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が申し立てた起訴請求事件について、東京高等裁判所は昭和28年4月21日に抗告棄却の決定を下した。抗告人はこの決定を不服とし、原…
事件番号: 昭和28(し)104 / 裁判年月日: 昭和29年4月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条2項および3項の異議申立ての規定を適用する余地はなく、当該異議申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、大分地方裁判所による再審請求棄却決定に対し即時抗告をしたが、福岡高等裁判所は即時抗…
事件番号: 昭和36(し)62 / 裁判年月日: 昭和36年12月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として主張される判例違反について、引用された判例が事案を異にする場合には、適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、特別抗告人が高等裁判所の判決に対して特別抗告を申し立てた事案である。抗告人は、原判決が複数の高等裁判所の判例に違反している旨を主張して抗告の理由としたが…