上告棄却の決定に対してなされた本件再審の請求は、同決定が未だ確定しないうちになされたものであるから不適法といわなければならない。
上告棄却の決定が未だ確定しないうちになされた再審請求の適否。
刑訴法436条1項
判旨
上告棄却の決定に対する再審の請求は、当該決定が確定した後にのみ可能であり、未確定の状態で行われた請求は不適法である。
問題の所在(論点)
上告棄却の決定が確定する前になされた再審請求の適法性(刑事訴訟法436条1項の解釈)。
規範
刑事訴訟法436条1項柱書および各号の規定によれば、上告棄却の確定決定に対してのみ再審の請求をすることができる。したがって、再審請求の対象となる裁判が確定していることが、再審の訴えの適法要件となる。
重要事実
本件において、再審請求人は上告棄却の決定に対して再審の請求を行った。しかし、当該再審請求がなされた時点において、対象となる上告棄却決定は未だ確定していなかった。
あてはめ
刑事訴訟法436条1項は「確定した」裁判を対象とすることを明示している。本件では、上告棄却の決定が未だ確定しないうちに再審の請求がなされており、同条の定める客体要件を欠いているといえる。
事件番号: 昭和28(す)202 / 裁判年月日: 昭和28年5月13日 / 結論: 棄却
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結論
本件再審の請求は不適法であり、棄却されるべきである。
実務上の射程
再審制度が確定判決の誤認を是正する非常救済手続であることに鑑み、未確定の裁判に対しては通常の不服申立手段(異議申し立て等)によるべきであり、再審請求は許されないという手続的峻別を明確にしたもの。実務上、決定の確定時期を確認することの重要性を示す。
事件番号: 昭和26(し)44 / 裁判年月日: 昭和26年7月6日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和44(き)1 / 裁判年月日: 昭和44年2月7日 / 結論: 棄却
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