付審判請求事件についての特別抗告が原決定に対する不服を内容とするものでないとして不適法とされた事例
判旨
特別抗告が原決定に対する不服を内容とするものでない場合には、不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上の特別抗告(または類推される手続)において、原決定に対する不服を内容としない申立てが適法といえるか。
規範
特別抗告を含む上訴の適法性は、上訴人が原決定(または原判決)の判断内容に対して、具体的な不服を申し立てているか否かによって決せられる。原決定の判断を直接の対象としない申立ては、上訴制度の趣旨に照らし、不適法な申立てとなる。
重要事実
申立人は、付審判請求事件に関して東京高等裁判所が下した抗告棄却決定に対し、最高裁判所へ特別抗告を申し立てた。しかし、その申立ての内容は、当該抗告棄却決定(原決定)に対する具体的な不服を内容とするものではなかった。
あてはめ
本件における申立人の主張を検討すると、その内容は原決定である東京高等裁判所の決定に対する不服を構成していない。上訴は原裁判の当否を争うための手続であるところ、原決定に対する不服が含まれていない以上、審理の対象が存在しない。したがって、本件申立ては上訴としての実質を欠き、不適法であると解される。
結論
本件特別抗告は不適法であるため、棄却される。
事件番号: 昭和48(し)61 / 裁判年月日: 昭和48年9月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法428条2項および3項の適用はなく、異議の申立てをすることはできない。不適法な異議申立ての棄却決定に対する特別抗告は、実質において事実誤認や単なる法令違反を主張するものである限り、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、地方裁判所…
実務上の射程
付審判請求などの付随的手続においても、上訴の適法要件として「原決定に対する不服の存在」が必要であることを確認する裁判例である。答案作成上は、形式的に上訴状が提出されていても、その実質が原決定の批判にない場合は門前払い(棄却または却下)される根拠として利用できる。
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、対象となる決定又は命令に対し、法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能な状況にあった。しかし、申立人は通…
事件番号: 昭和38(し)38 / 裁判年月日: 昭和38年10月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】告訴状が受理された場合において、捜査機関が速やかに検察官へ送付する手続を怠ったという事実が認められない限り、裁判を受ける権利(憲法32条)への侵害は認められない。また、審判請求の手続において請求者の意見を徴さなくても、適法な手続として認められる。 第1 事案の概要:抗告人は、昭和37年6月12日付…
事件番号: 昭和42(し)40 / 裁判年月日: 昭和42年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付随的申判請求(付記:検察審査会法上の用語との混同を避けるため、通常は「付審判請求」と称される)を棄却する決定に対して、直接最高裁判所に特別抗告を申し立てることは、刑事訴訟法433条の要件を備えず不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、旭川警察署の氏名不詳の警察官による特別公務員暴行の事実につ…
事件番号: 昭和50(し)38 / 裁判年月日: 昭和50年6月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく最高裁判所への特別抗告は、対象となる決定等に対して他に不服申立ての手段がない場合に限り許容される。高等裁判所への通常抗告が可能な決定に対し、これを経ずに直接最高裁判所へ抗告することは不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、原決定(詳細は判決文からは不明)に対し、刑事訴…