逮捕、勾留又は勾留期間の延長が違法であるとの主張が欠前提とされた事例
憲法34条
判旨
住居侵入及び器物損壊の被疑事実による逮捕、勾留、勾留期間延長の適法性は、事案の具体的な状況に基づき判断されるべきであり、本件においては手続上の違法は認められない。
問題の所在(論点)
住居侵入および器物損壊の被疑事実に基づく逮捕、勾留および勾留期間の延長が、憲法31条および34条の保障する適正な手続等に抵触し、違憲となるか。
規範
逮捕・勾留等の身体拘束手続が、憲法31条(適正手続)および憲法34条(抑留・拘禁の正当理由)に反するか否かは、各被疑事実の重大性、証拠隠滅の恐れ、逃亡の恐れといった身体拘束の必要性と、法定の手続要件の充足性を総合して判断する。
重要事実
被告人は、住居侵入および器物損壊の被疑事実により逮捕・勾留され、さらに勾留期間の延長が行われた。弁護人は、これらの一連の身体拘束が違法であり、憲法31条、34条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
原審の判断によれば、被告人の被疑事実である住居侵入および器物損壊について、身体拘束を必要とする客観的状況が認められる。本件における逮捕から勾留期間延長に至るまでの過程において、刑事訴訟法に定める要件を欠く事態や、憲法の要請する適正手続に反する事由は認められない。したがって、身体拘束手続を違憲とする主張は、その前提となる違法性自体が認められないため、失当である。
結論
本件における逮捕、勾留および勾留期間の延長は適法であり、憲法31条および34条に違反しない。
実務上の射程
別件逮捕・勾留の限界や、身体拘束手続の適法性が争点となる事案において、形式的な手続の充足だけでなく、実質的な違法性の有無を確認するための基礎的な判断例として機能する。
事件番号: 昭和56(あ)601 / 裁判年月日: 昭和57年9月30日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和41(あ)574 / 裁判年月日: 昭和41年9月8日 / 結論: 棄却
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