上告理由は原判決の法令違反を理由とすべきものであるから、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律(昭和二五年法律第一三八号)が違憲であるとする主張は、上告理由として認めることはできない。
最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律の違憲の主張と上告理由
民訴法394条
判旨
上告理由は原判決の法令違反を理由とすべきものであり、民事上告特例法の憲法違反を主張する論旨は適法な上告理由として認められない。
問題の所在(論点)
民事上告特例法自体の憲法違反を主張することが、民事訴訟法上の適法な上告理由(原判決の法令違反)として認められるか。また、期間経過後に提出された上告理由の追加について判断すべきか。
規範
上告理由は、原判決の法令違反を理由とすべきものである。したがって、裁判所の手続や権限を定める法律(本件では最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律)自体の憲法違反を主張する論旨は、原判決の違法を指摘するものではないため、上告理由にはあたらない。
重要事実
上告人らは、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律(昭和25年法律第138号)が憲法77条に違反すると主張して上告を申し立てた。また、上告理由書の提出期間経過後に、別途「緊急上告理由の追加」と題する書面を提出した。
事件番号: 昭和26(オ)70 / 裁判年月日: 昭和27年9月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件において、上告理由が審判の特例に関する法律の各号に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、上告理由として主張された内容が、大審院昭和15年10月15日判決等の先例に照らしても適切では…
あてはめ
上告人らの主張は、判決の基礎となった実体法や手続法の適用誤りをいうものではなく、上告審の審判枠組みを定める特例法自体の違憲をいうものである。これは「原判決の法令違反」という上告理由の性質に適合しない。また、期間経過後に提出された追加理由は、適法な期間内に提出されたものではないため、裁判所の判断対象から除外される。
結論
本件上告は棄却される。特例法の違憲主張は上告理由とならず、期間経過後の追加理由についても判断を要しない。
実務上の射程
上告審において「原判決の法令違反」を主張する際は、あくまで原審の判断プロセスにおける法適用や事実認定の違法を対象とすべきであり、審判手続を規定する法律自体の違憲性は、原判決の違法を構成する理由とはなり得ないという限定的な射程を持つ。
事件番号: 昭和25(オ)367 / 裁判年月日: 昭和26年5月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の特例に関する法律に基づき、上告理由が同法1号から3号のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、上告人が主張した論旨が、特例法上の法定上告理由(1号〜3号…
事件番号: 昭和26(オ)105 / 裁判年月日: 昭和28年5月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件において、上告理由が特例法の定める上告事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な事項を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人は、原判決に対し上告を提起したが、その上告理由の構成において同特例法が定める各号の事由を主張した。しかし、上告人が援用した判例は本…
事件番号: 昭和27(オ)1008 / 裁判年月日: 昭和28年4月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合は、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、その上告理由の内容が検討された。なお、具体的な事案の詳細は判決文からは不明である。 第…
事件番号: 昭和26(オ)747 / 裁判年月日: 昭和28年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において、原判決の事実認定に沿わない独自の事実を前提として憲法違反を主張することは、上告の適法な理由とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が認定した事実とは異なる事実を想定し、その想定事実に基づいて憲法違反(違憲)を主張して上告を提起した。 第2 問題の所在(論点):原判決の事実…