民訴第五四八条第三項にいう「右裁判」とは、同条第一項の裁判をも指称するものと解すべきである。
民訴法第五四八条第三項の裁判。
民訴法548条,民訴法547条
判旨
旧民事訴訟法548条3項にいう不服申立てが禁じられる「右裁判」には、同条1項に基づく強制執行停止の裁判が含まれる。したがって、当該決定に不当な点があるとしても、上告等による不服申立ては認められない。
問題の所在(論点)
旧民事訴訟法548条3項に規定される「右裁判」に不服を申し立てることができないとする範囲に、同条1項に基づく裁判が含まれるか。具体的には、強制執行停止決定の裁判に対する上告の可否が問題となる。
規範
旧民事訴訟法548条3項(現行の民事執行法等における執行停止命令等の不服申立て制限に相当)が規定する不服申立ての禁止対象には、同条1項に基づく裁判が含まれると解すべきである。
重要事実
上告人は、原審がなした強制執行停止決定の認可について、内容に不当な点があるとして上告を申し立てた。本件では、旧民事訴訟法549条4項および548条1項に従ってなされた裁判に対し、同法548条3項の不服申立て禁止規定が適用されるかどうかが争点となった。
あてはめ
旧民事訴訟法548条3項の文言上、「右裁判」とは直前の項のみならず同条1項の裁判をも指称するものと解するのが相当である(大審院昭和10年10月1日判決参照)。本件の原判決主文における強制執行停止決定の認可は、まさに同条1項に従ってなされたものである。したがって、上告人が主張するような不当な点が原審の判断に介在していたとしても、法が明文で不服申立てを禁じている以上、これを受け入れることはできない。
結論
本件上告は棄却される。強制執行停止に関する裁判に対しては、不服を申し立てることはできない。
実務上の射程
執行停止等の付随的・派生的な手続に関する裁判の迅速性を確保するための不服申立て制限規定の解釈を示すものである。現行法下(民事執行法等)においても、執行停止命令等に対する独立の不服申立ての可否を検討する際の基礎的な解釈指針となる。
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