原判決の謄本を添付しない再審の請求は、法律上の方式に違反する。
原判決の謄本を添付しない再審請求
旧刑訴504条,旧刑訴497条
判旨
再審の請求をする場合には、旧刑事訴訟法の規定に基づき、再審請求の趣意書に原判決の謄本を添付しなければならない。この要件を欠く請求は、法律上の方式に違反するものとして棄却される。
問題の所在(論点)
再審請求において原判決の謄本を添付していない場合、当該請求は「法律上の方式に違反する」ものとして、不適法な申し立てとなるか。
規範
再審請求において、上告棄却判決を対象とする場合には、法律上の規定(旧刑訴法488条、497条、490条)に従い、再審請求の趣意書に「原判決の謄本、証拠書類及び証拠物」を添えて管轄裁判所に提出しなければならない。これらは再審請求の適法な方式として要求される不可欠の要件である。
重要事実
再審請求人は、上告を棄却した判決に対して本件再審請求を行った。しかし、提出された再審請求の趣意書には、対象となるべき原判決の謄本が添付されていなかった。再審請求人は、法令で定められた形式的要件の一部を充足しないまま申し立てを行ったものである。
あてはめ
事件番号: 昭和25(き)2 / 裁判年月日: 昭和28年12月3日 / 結論: 棄却
しかし本件被告事件の記録に徴すれば、請求人申出の証人の中A並びに当時捜査を担当していた府中町警察署勤務警部補Bは、控訴審たる東京高等裁判所において証人として尋問されているのであり、不在証明を立証しようとするCについては、同人と被告人Dとの交渉関係につき司法警察官作成の聴取書が存し公判廷においてその証明調がなされているも…
本件において、再審請求人は旧刑訴法497条および490条が定める手続規範に反し、原判決の謄本を趣意書に添付していない。再審は確定判決の法的安定性を害する非常救済手続であるため、その請求方式は厳格に解されるべきである。したがって、必須の添付書類を欠く本件請求は、適法な手続の履践を欠いているといえる。
結論
本件再審請求は法律上の方式に違反するため、棄却を免れない。
実務上の射程
本判決は旧法下の判断であるが、現行刑訴法441条、447条、および刑訴規則283条下においても、再審請求時の原判決謄本の添付(規則による準用等)や形式的要件の遵守は依然として重要である。実務上、非常救済手続においては、実体判断に入る前に形式的要件の具備が厳格に審査されることを示す資料として活用できる。
事件番号: 昭和42(き)4 / 裁判年月日: 昭和42年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求の手続において、刑訴規則283条が定める添付書類を欠いた請求は、法令上の方式に違反するものとして棄却される。 第1 事案の概要:再審請求人が、再審請求をするにあたり、管轄裁判所に対して再審請求の趣意書のみを差し出した事案である。原決定の謄本、証拠書類、証拠物の添付は行われていなかった。 第…
事件番号: 昭和43(き)3 / 裁判年月日: 昭和43年11月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審の請求は、刑訴規則283条に基づき、趣意書に加えて原決定の謄本、証拠書類および証拠物を添えて管轄裁判所に差し出すべきであり、これらを欠く請求は法令上の方式違反となる。 第1 事案の概要:再審請求人が、裁判所に対して再審の請求を行った。その際、再審請求人は再審請求の趣意書を差し出したが、刑訴規則…
事件番号: 昭和40(き)1 / 裁判年月日: 昭和41年4月19日 / 結論: 棄却
刑訴法施行法第二条、第三条の二の規定により上告棄却判決があつた事件についての、上告棄却確定判決に対する再審請求は、旧刑訴法第四八八条第一項所定の各原由があるときにかぎり許される。
事件番号: 昭和53(き)6 / 裁判年月日: 昭和53年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却決定に対する再審請求においては、刑訴法436条1項各号の事由があることに加え、刑訴規則283条の定める方式に従い、原裁判の謄本や証拠書類等を添付しなければならない。 第1 事案の概要:請求人は、最高裁判所が行った上告棄却決定(原裁判)に対して再審を請求したが、その再審請求の趣意書において、…