昭和二五年法律第二八六号による改正物品税法第一条第一項第一種乙類一四号(現行第二種乙類八)にいう「ネオン管」は、アルゴン管およびヘリウム管を含むものと解する。
物品税法にいう「ネオン管」とアルゴン管およびヘリウム管。
物品税法(昭和25年法律286号による改正後のもの)1条1項1種乙類14,物品税法(昭和28年法律41号による改正後のもの)1条1項2種乙類8
判旨
物品税法に規定される「ネオン管」の意義について、学術的・技術的な厳密な分類にとらわれず、社会通念上同様の機能を有するアルゴン管やヘリウム管をも含むものと解釈すべきである。
問題の所在(論点)
物品税法1条1項第1種乙類14号にいう「ネオン管」に、アルゴンガスやヘリウムガスを封入したアルゴン管やヘリウム管が含まれるか。罪刑法定主義(明確性の原則)との関係で用語の拡張解釈の可否が問題となる。
規範
課税物件の規定における用語の解釈は、文言の厳格な意義のみならず、法の趣旨や目的、社会通念、および対象物の性質や用途を総合的に考慮して決定される。類似の機能・用途を有するものは、特段の事情がない限り、当該用語に含まれるものと解するのが相当である。
重要事実
被告人が、昭和25年改正物品税法1条1項第1種乙類14号に規定される「ネオン管」を製造・販売等したが、当該製品には厳密な意味でのネオンガスではなく、アルゴンやヘリウムが封入されていた。このため、当該製品が課税対象である「ネオン管」に該当するか否かが争われた。
あてはめ
物品税法が「ネオン管」を課税対象としたのは、その照明・広告としての機能や性質に着目したためと考えられる。アルゴン管やヘリウム管は、内部に封入されたガスこそ異なるものの、放電灯としての構造や視覚的効果、用途においてネオン管と実質的に異ならない。したがって、社会通念上、これらは「ネオン管」という用語の概念に包摂されると評価できる。
結論
物品税法上の「ネオン管」には、アルゴン管およびヘリウム管を含む。したがって、これらに基づく課税処分は適法である。
実務上の射程
租税法や行政刑法における用語解釈において、科学的定義と社会通念が乖離する場合、後者を優先して合憲的に解釈する手法を示す。罪刑法定主義における類推解釈禁止の原則と、社会通念による拡張的解釈の限界を検討する際の参考となる。
事件番号: 昭和33(あ)435 / 裁判年月日: 昭和33年5月27日 / 結論: 棄却
物品税法第八条第一項にいう「移出」とは、一般に課税物品を製造場から他の場所に移動させる事実行為をいい、単に販売のための移動のみを指すものではないと解すべきである