判旨
行政処分が一部取り消された場合、その取り消された部分に限定して既判力(拘束力)が生じるのであり、処分の他の部分については拘束力は及ばず、その適法性を争うことは妨げられない。
問題の所在(論点)
行政処分の一部が取り消された確定判決がある場合、その判決の拘束力(既判力)は、取り消されなかった残余の部分の適法性を判断する際にも及ぶか。特に、理由中の判断がどの範囲まで後続の手続を拘束するかが問題となる。
規範
行政事件訴訟法に基づく取消判決の拘束力は、判決の主文に包含される内容、すなわち処分の全部または一部を取り消したという事実、およびその理由となった処分の違法性の判断について生じる。したがって、処分の特定の部分のみが取り消された場合、その拘束力は当該部分の違法性の判断に限定され、取り消されていない他の部分にまで当然に及ぶものではない。
重要事実
本案の具体的な事実は提供された判決文断片からは不明であるが、行政処分(特許等に関連するものと推察される)の一部について「取り消された発明を対象とする部分」と「それ以外の部分」が区別されており、前者の違法性が判断され確定した状況にある。
あてはめ
判決によれば、既に対象となっている部分が取り消されたという判断は、その部分に「限定」されるものである。本件における「理由中の認定判断」も、あくまで当該一部の取り消しを導くための範囲内でのみ効力を有する。したがって、取り消されていない他の部分についてまで、従前の判断に拘束されて当然に違法または適法とみなすことはできない。これは、処分が可分であることを前提として、訴訟の対象となった範囲に拘束力を限定する趣旨であると解される。
結論
確定判決によって取り消された部分の違法性判断の効力は、取り消されていない他の部分には及ばない。したがって、残余の部分については改めて適法性を判断することが可能であり、先行判決のみをもって直ちにその部分を違法とすることはできない。
実務上の射程
行政処分の可分性が認められる場合における一部取消判決の効力範囲を画定するものである。答案作成上は、先行訴訟で勝訴(一部取消し)したとしても、残りの部分を争う際には別途その部分独自の違法事由を主張・立証する必要があることを示す際に用いる。
事件番号: 昭和55(行ツ)75 / 裁判年月日: 昭和55年10月16日
【結論(判旨の要点)】行政処分が違法とされるためには、処分に至る手続や判断過程において、考慮すべき事項を考慮せず、あるいは考慮すべきでない事項を考慮した等の裁量権の逸脱・濫用が認められなければならない。 第1 事案の概要:(※提示された判決文が文字化けにより判読不能なため、形式的な事案要約となる)特定の行政処分について…
事件番号: 昭和45(行ツ)85 / 裁判年月日: 昭和46年2月9日
【結論(判旨の要点)】行政処分が憲法の保障する基本的人権を不当に制限する場合、特段の事情がない限り、当該処分は憲法違反として取り消されるべきである。 第1 事案の概要:本件における事案の詳細は、提供された判決文断片からは不明である。一般的背景として、行政機関が特定の活動や権利に対して制限を課した事案と推察される。 第2…
事件番号: 平成5(行ツ)180 / 裁判年月日: 平成6年4月19日
【結論(判旨の要点)】行政処分に重大かつ明白な瑕疵がある場合、当該処分は当然に無効であり、出訴期間の制限を受けることなく、いつでもその無効を主張することができる。 第1 事案の概要:本件は、行政庁がなした特定の行政処分について、その効力が争われた事案である。原告側は、当該処分に法的な瑕疵があり、当然に無効であると主張し…
事件番号: 平成10(行ツ)81 / 裁判年月日: 平成11年4月22日
【結論(判旨の要点)】特許法17条の2第5項2号所定の「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に、新たな技術的事項を付加する補正が含まれる場合、当該補正は同号に適合せず不適法である。かかる補正を含む却下決定後の審決に対しては、補正の不適法を理由として取消しを求めることができる。 第1 事案の概要:本件発明は、特定のロー…