判旨
行政処分が当然に無効といえるためには、処分に重大かつ明白な瑕疵があることを要し、明白性については、処分の成立過程を重視しつつ、法的安定性の観点から客観的に判断されるべきである。
問題の所在(論点)
行政処分に重大な瑕疵がある場合において、当該処分が当然無効となるための「明白性」の要件の存否、およびその判断基準が問題となる(行政事件訴訟法3条4項関連)。
規範
行政処分の無効原因としての瑕疵の重大明白性のうち、明白性とは、処分が外形上客観的にみて瑕疵があることが一見して明らかなことをいう。瑕疵が重大であっても、それが外見上直ちに明らかでない場合には、法的安定性および第三者の信頼保護の観点から、当然無効とは認められない。
重要事実
本件は、更正請求期間の経過後に提出された更正請求に基づきなされた減額更正処分の効力が争われた事案である。処分の根拠となる事実関係や手続きにおいて、課税庁による判断の誤りが存在したものの、その誤りが処分の外形から直ちに看取できるものであったかが争点となった。
あてはめ
本件の処分は、更正請求の要件を欠くにもかかわらずなされた点において重大な瑕疵があるといえる。しかし、更正請求の理由の有無や期間制限の遵守状況は、関係記録を精査しなければ判明しない事柄であり、処分の外形から客観的に一見して明白な瑕疵とはいえない。したがって、法的安定性を害してまで無効とすべき特段の事情は認められない。
結論
本件処分には重大な瑕疵があるものの、それが明白であるとはいえないため、当然無効にはあたらない。
実務上の射程
重大明白説の基本論理を示す。課税処分や公定力を有する行政処分の効力を争う際、出訴期間経過後の救済手段(無効確認訴訟)におけるハードルの高さを示す基準として、答案上のあてはめにおいて重要となる。
事件番号: 平成5(行ツ)180 / 裁判年月日: 平成6年4月19日
【結論(判旨の要点)】行政処分に重大かつ明白な瑕疵がある場合、当該処分は当然に無効であり、出訴期間の制限を受けることなく、いつでもその無効を主張することができる。 第1 事案の概要:本件は、行政庁がなした特定の行政処分について、その効力が争われた事案である。原告側は、当該処分に法的な瑕疵があり、当然に無効であると主張し…
事件番号: 昭和55(行ツ)75 / 裁判年月日: 昭和55年10月16日
【結論(判旨の要点)】行政処分が違法とされるためには、処分に至る手続や判断過程において、考慮すべき事項を考慮せず、あるいは考慮すべきでない事項を考慮した等の裁量権の逸脱・濫用が認められなければならない。 第1 事案の概要:(※提示された判決文が文字化けにより判読不能なため、形式的な事案要約となる)特定の行政処分について…
事件番号: 昭和41(行ツ)52 / 裁判年月日: 昭和44年2月6日 / 結論: 棄却
昭和二五年法律第七二号による改正前の旧法人税法(昭和二二年法律第二八号)が法人の超過所得算定の基礎とする「資本金額」の計算上、同法一六条による積立金額から除外される「法人税として納付すべき金額」には、当該事業年度の期首において客観的に成立していたと考えられる前事業年度の所得に関する更正処分により追徴を受けた不足税額は含…
事件番号: 昭和32(オ)1158 / 裁判年月日: 昭和36年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分に法令の定める除外事由に該当する土地を買収したという違法があっても、直ちに当然無効となるわけではなく、その瑕疵が重大かつ明白である場合に限り無効となる。 第1 事案の概要:本件土地は、客観的には旧自創法5条5号に該当し、本来であれば買収から除外されるべき土地であった。しかし、処分庁は同号の…
事件番号: 昭和45(行ツ)85 / 裁判年月日: 昭和46年2月9日
【結論(判旨の要点)】行政処分が憲法の保障する基本的人権を不当に制限する場合、特段の事情がない限り、当該処分は憲法違反として取り消されるべきである。 第1 事案の概要:本件における事案の詳細は、提供された判決文断片からは不明である。一般的背景として、行政機関が特定の活動や権利に対して制限を課した事案と推察される。 第2…