判旨
連帯保証契約の成立について、明示的な書面が存在しない場合であっても、当事者本人の供述等の証拠に基づき、その合意の事実を認定することができる。
問題の所在(論点)
民法446条および454条に関連し、明示的な保証契約書が存在しない状況下において、当事者の供述のみを根拠として連帯保証契約の成立を認めることができるか。また、その認定が経験則に反するか。
規範
保証契約(および連帯の特約)は、当事者間の合意によって成立する諾成契約であり、契約書の作成は成立要件ではない。証拠に基づき合意の事実が認められれば、明示的な契約書が存在しなくとも契約の成立を肯定し得る。
重要事実
上告人(被告)が、Dの被上告人(原告)に対する売買代金債務について連帯保証したかどうかが争われた事案。当該連帯保証を明示的に約束したことを裏付ける契約書等の書面は証拠として提出されていなかったが、原審は被上告人の本人尋問における供述に基づき、連帯保証の事実を認定した。
あてはめ
本件において、原判決は連帯保証契約を明示した書面がないことを認めつつ、被上告人(債権者)の供述という証拠を選択し、その内容を信頼して合意の事実を認定している。証拠の取捨選択および事実認定は原則として事実審の裁量に属する事柄であり、供述から合意を推認する過程に実験則(経験則)違反等の違法は認められない。
結論
書面が存在しない場合であっても、他の証拠により連帯保証の合意が認められる以上、連帯保証債務の発生を肯定した原判決は正当である。上告棄却。
実務上の射程
平成16年改正前の事案である点に注意が必要。現行民法446条2項により、保証契約は「書面」でしなければ効力を生じないため、本判決の法理は保証契約の成立要件(要式性)として直接適用することはできない。ただし、書面の記載内容が曖昧な場合の解釈指針や、他の意思表示の認定における証拠評価のあり方としては参照し得る。
事件番号: 昭和24(オ)94 / 裁判年月日: 昭和25年7月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が原告の立証不足により事実を認められないと判断した場合、被告側の反証を必要とせず、かつ証拠上認め得ない詳細な理由を説示しなくても違法ではない。 第1 事案の概要:上告人(原告)は、被上告人(被告)との間で万年筆2本の売買契約が成立したと主張し、その証拠を提出した。しかし、原審は上告人の提出し…