判旨
被告人が共産党員であることを理由に不平等な取扱いを受けた事実は認められず、また刑事補償に関する主張は上告理由とならない。
問題の所在(論点)
被告人が特定の政党(共産党)員であることを理由に不平等な取扱いを受けたという主張が憲法14条違反としての上告理由(刑訴法405条1号)を構成するか。また、刑事補償に関する不満を上告審で争うことができるか。
規範
刑訴法405条の上告理由に該当するためには、実質的な違憲、あるいは判例違反等の適法な理由が必要である。単なる事実誤認、法令違反、量刑不当の主張は上告理由とならない。また、刑事補償に関する不服は、上告手続ではなく刑事補償法に基づく手続によって審判されるべきものである。
重要事実
被告人が上告を提起し、上告趣意において(1)自身が共産党員であるために不平等な取扱いを受けたとする憲法違反の主張、および(2)刑事補償に関する主張を予備的に行った事案。
あてはめ
憲法違反の主張について、記録を精査しても被告人が共産党員であることを理由に不平等な取扱いを受けたことを認めるべき証跡は存在しない。したがって、その実質は単なる事実誤認、法令違反または量刑不当を主張するものにすぎず、刑訴法405条の上告理由に当たらない。また、刑事補償については、上告手続において審理されるべき性質のものではなく、別個の刑事補償法上の手続によって判断されるべき事項である。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、棄却される。
実務上の射程
憲法違反を形式的に主張しても、その実質が事実誤認や量刑不当にすぎない場合は適法な上告理由にならないことを示した実例。また、刑事補償の適否が上告審の審判対象外であることを明確にしている。
事件番号: 昭和25(あ)2458 / 裁判年月日: 昭和26年6月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由が単なる訴訟法違反や量刑不当の主張に留まり、刑訴法405条の定める上告理由に該当しないとして棄却された事例である。 第1 事案の概要:弁護人は、第一審または控訴審の判断に対し、訴訟手続に違反がある点(訴訟法違反)および言い渡された刑罰が重すぎる点(量刑不当)を理由として上告を申し立…
事件番号: 昭和26(あ)1259 / 裁判年月日: 昭和26年7月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本判決は、弁護人が主張する憲法違反の訴えについて、実質的には単なる訴訟法違反の主張にすぎないと判断し、刑訴法405条の上告理由に当たらないとして棄却した。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起し、弁護人が上告趣意において憲法違反を主張した。これに対し、裁判所が当該主張の具体的内容を精査し、上告理由…
事件番号: 昭和26(れ)1758 / 裁判年月日: 昭和26年11月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由には該当せず、特段の事情がない限り同法411条による職権破棄の対象にもならない。 第1 事案の概要:上告人は量刑が不当であることを理由に上告を申し立てたが、原判決の量刑判断において具体的にどのような憲法違反や判例違反があるのかについては明確な…
事件番号: 昭和26(れ)1249 / 裁判年月日: 昭和26年10月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の上告趣意が単なる量刑不当の主張にすぎない場合、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。また、職権による破棄事由も認められない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人が原判決の量刑を不当として上告を申し立てた事案である。判決文からは具体的な犯罪事実や経緯の詳細は不明であ…
事件番号: 昭和25(あ)1583 / 裁判年月日: 昭和26年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、被告人の上告趣意が刑訴法405条の上告理由に当たらず、かつ記録を精査しても同法411条を適用して職権で判決を破棄すべき事由も認められないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が原判決(詳細は判決文からは不明)に対して上告を提起した事案である。被告人は上告趣意書を提出…