判旨
上告趣意が原判決の違法を主張するものでない場合には、上告の適法な理由とはならないため、上告を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
上告趣意において原判決の違法を主張していない場合、当該上告は適法な理由を備えているといえるか。
規範
上告の適法な理由として認められるためには、原判決の違法(旧刑事訴訟法下においては同法第409条各号に掲げる事由等)を具体的に主張するものでなければならない。
重要事実
被告人が上告を申し立て、上告趣意書を提出したが、その内容が原判決の違法を主張するものではなかった。
あてはめ
被告人の提出した上告趣意書を検討するに、末尾添附の書面において原判決の具体的な違法性について何ら触れていない。したがって、上告理由としての適格性を欠いていると判断される。
結論
本件上告は適法な理由に基づかないものであるため、旧刑事訴訟法第446条により棄却される。
実務上の射程
本判決は旧刑事訴訟法下の判断であるが、現行法においても上告理由が限定されている点(刑訴法405条、406条)に鑑みれば、原判決の具体的な適法性を争わない主張は上告理由として不適法となるという実務上の基本的な姿勢を示すものである。
事件番号: 昭和25(あ)835 / 裁判年月日: 昭和26年2月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、被告人の上告について、刑事訴訟法405条所定の上告理由に当たらないとして棄却した事案である。判旨の内容は、個別の法律論を示すものではなく、上告適格の有無を形式的に判断したにとどまる。 第1 事案の概要:本件において被告人側から提出された上告趣意について、最高裁判所が記録を精査したところ、…
事件番号: 昭和25(あ)1225 / 裁判年月日: 昭和25年11月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑の量定に関する不当の主張は、刑事訴訟法405条に規定された適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:弁護人が原審の刑の量定を不服として上告を申し立てた事案であるが、具体的な犯罪事実や原審の判断内容の詳細は、本判決文からは不明である。 第2 問題の所在(論点):原審が裁量権の範囲内で行った…
事件番号: 昭和25(あ)1583 / 裁判年月日: 昭和26年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、被告人の上告趣意が刑訴法405条の上告理由に当たらず、かつ記録を精査しても同法411条を適用して職権で判決を破棄すべき事由も認められないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が原判決(詳細は判決文からは不明)に対して上告を提起した事案である。被告人は上告趣意書を提出…
事件番号: 昭和25(あ)2458 / 裁判年月日: 昭和26年6月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由が単なる訴訟法違反や量刑不当の主張に留まり、刑訴法405条の定める上告理由に該当しないとして棄却された事例である。 第1 事案の概要:弁護人は、第一審または控訴審の判断に対し、訴訟手続に違反がある点(訴訟法違反)および言い渡された刑罰が重すぎる点(量刑不当)を理由として上告を申し立…
事件番号: 昭和25(れ)1212 / 裁判年月日: 昭和25年12月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決における「罪となるべき事実」とは、構成要件に該当する事実、違法性及び責任を基礎付ける事実を指し、その他の情状や証拠の評価に関する事項については、判決にその判断を明記することを要しない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件において有罪判決を受けた際、原判決が特定の事項について判断を記さなかったこ…