令和7年 司法試験予備試験 論文式試験 選択科目 第19問
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[環境法] 【対象設問】〔設問3〕 【共通前提】 [環 境 法] [環 境 法] 次の文章を読んで、後記の に答えなさい。 【参考:先行設問】 〔設問〕 水質汚濁防止法(以下「水濁法」という。)の総量規制の区域外であるA県B町は古くから工業 が盛んな地域であるが、同町内を流れるC川近くには、事業会社Dが設置する水濁法上の特定事業 場であるメッキ工場Eがあった。工場Eは、同工場で使用した水を水濁法上の排水基準に適合する ように同工場内に設置された浄化装置により浄化してC川に排出していた。 〔設問〕 ⑴ 水濁法が排出水の排出規制の仕組みとして採用している総量規制について簡潔に説明し、排水基準 による規制に加えて総量規制を採用した趣旨について論じなさい。 ⑵ D社は、工場Eに隣接して、水濁法上の特定事業場であるメッキ工場Fの新設を計画している。C 川に工場Fで使用した水の排出を開始するためD社が水濁法上採るべき手続について述べなさい。ま た、D社が前記手続上の義務を果たした場合において、D社の計画の内容では工場Fからの排出水が 排水基準に適合しないと認められるとき、A県知事が水濁法上採り得る措置について述べなさい。 ⑶ 設問⑵の過程が完了し、工場FからC川への排水が始まったが、C川流域の住民らは、独自にC川 の水を採取するなどの調査を行った結果、工場Fからの排出水が排水基準に適合していない疑いがあ るとして、その旨をA県知事に伝えた。この情報をもとに、A県が工場F付近でC川の水を採取し検 査した結果、工場Fからの排出水が排水基準に適合していない疑いが強まった。A県知事はⅮ社に対 して、水濁法上、どのような措置を採ることができるか述べなさい。 ⑷ 工場Fは、浄化装置の故障により、排水基準に適合していない排出水をC川に排出してしまった。 その後、工場Fより下流の地点からC川の水を引き込んで川魚の養殖を営む養殖業者Gの養殖魚が全 滅した。Gは、D社に対して、その損害の賠償を求めて訴訟を提起することを考えているが、どのよ うな法的構成が考えられるか。住民らの生命・身体に害が及んだ場合に住民らが損害賠償請求訴訟を 提起する場合と比較して論じなさい。 論文式試験問題集[国際関係法(公法系)] [国際関係法(公法系)] A国とB国は、外交関係に関するウィーン条約(以下「外交関係条約」という。)の当事国であ る。A国の人種差別禁止法では、人種差別の扇動を犯罪とし、人種差別を扇動した者には拘禁刑を 科すこととしている。A国に派遣されていたB国の外交官Xは、退任してB国に帰国し、民間企業 で勤務していたが、A国の当局は、Xが在任中にA国内で外交官として行ったスピーチが人種差別 の扇動に当たるとして、人種差別禁止法に基づいてXを起訴した。Xが起訴されたとの知らせを聞 いたB国の大統領は、「A国の当局がXを起訴することは外交関係条約違反である。」との声明を 発表した。 C国とD国は、外交関係条約の当事国である。C国に派遣されていたD国の外交官Yは、C国内 において違法な諜報活動を行った容疑でC国の警察官に逮捕された。これに対してD国政府は、C 国の警察官によるYの逮捕は国際法違反であるとして抗議したが、C国の外務大臣は、「Yは以前 からC国内において違法な諜報活動を行っていたため、Yを逮捕することは国際法上正当化され る。」との声明を発表した。 E国は、国際連合(以下「国連」という。)の加盟国であり、また、国連とは別の国際機関であ るPの加盟国でもある。E国政府は、国際機関Pにおいて採択されたα条約を批准しようと考え、 E国憲法上、条約の締結のために必要となる国会の承認を求めることとした。α条約の締結につい ての国会審議において、E国の国会議員Zは、「α条約には意味が不明確な規定が含まれているの で、批准する前に、当該規定の意味について国際司法裁判所の勧告的意見を要請するように国際機 関Pに働きかけるべきではないか。」と質問した。 以上の事実を基に、以下の設問に答えなさい。 〔設問〕 1.B国の大統領が、A国の当局によるXの起訴は外交関係条約違反であるとの声明を発表した根 拠として、国際法上どのような主張が考えられるかについて論じなさい。 2.Yの逮捕が国際法上正当化されるとのC国の外務大臣の声明に対して、D国は国際法上どのよ うな反論が可能かについて論じなさい。 3.Zの質問にあるような国際司法裁判所の勧告的意見を国際機関Pが要請するためには、国際法 上どのような条件が満たされていなければならないかについて論じなさい。 論文式試験問題集[国際関係法(私法系)] [国際関係法(私法系)] 次の文章を読んで、後記の から までに答えなさい。 〔設問1〕 〔設問3〕 【事実1】 いずれも甲国籍であるA男とB女は、出生以来日本に居住していた。 AとBは交際していたが、2005年1月、Aは、写真家となるためにBを伴って乙国に渡航し た。AとBは2010年1月に乙国で適法に婚姻し、2012年3月にAB間に子C(甲国及び乙 国の重国籍)が生まれた。 Aは、写真家として乙国を拠点に活動していたものの、乙国での写真家としての仕事が順調では なかったため、2013年1月から日本を拠点として活動するようになった。それ以降、Aは、1 年のうち8か月は仕事で日本に滞在し、残りの4か月はBとの婚姻生活を送るために乙国に滞在し ていた。これに対して、Bは、乙国へ渡航直後に乙国の大学に進学して卒業後、ダンサーとして乙 国で公演及び指導活動を行っており、引き続き乙国に居住していた。 日本法人のG社に勤務するD女(日本国籍)は、G社乙国支店への転勤を命じられて、2年間の 予定で2016年4月から乙国に居住していた。Dは、同年5月、乙国で開催されたパーティーに 参加して、A及びBと知り合いになり、同年8月から、Aが乙国に滞在している間にAと不貞行為 に及ぶ関係になった。 乙国での駐在期間が満了してDが日本に帰国する直前の2018年3月、Bは、Aの行動から、 DがAと不貞行為に及んでいるのではないかと疑念を抱いた。そこで、Bは、Dに対し、AとDが 不貞行為に及んでいるとの疑念があるので至急会って確認したい、場合によっては知人にも尋ねて みる、という内容を記載した電子メールを送信したところ、Dは、多忙を理由にBの面会の申し入 れを断った。その一方で、Dは、Aとの関係を隠ぺいするため、A及びBの知人10名(全員乙国 に居住)に対し、Aとの不貞行為をBに疑われたがBの妄想で事実ではない、実はBは精神疾患で 通院している、そもそもAは女性関係が派手でだらしない、という内容を記載した電子メール(以 下「本件メール」という。)を一斉送信した。Dは当初の予定どおり、その直後である同月末に日 本に帰国した。 AとBは、この件をきっかけに話し合い、婚姻関係を継続することとし、また、Bも活動拠点を 日本に移すこととした。B及びCは同年5月に日本に転居し、それ以来、A、B及びCは日本に居 住している。 〔設問1〕 【事実1】を前提として、次の問いに答えなさい。 Aは、Aの女性関係が派手でだらしないという内容を記載した本件メールの送信によりAの名誉 権が侵害されたとしてDに対して損害賠償を求める訴えを、Bは、精神疾患で通院しているという 内容を記載した本件メールの送信によりBのプライバシー権が侵害されたとしてDに対して損害賠 償を求める訴えを、それぞれ日本の裁判所に2018年7月に提起した。いずれの訴えについても、 日本の裁判所の国際裁判管轄権は認められるものとする。 ⑴ Aの請求について、いずれの国の法によって判断されるべきかを論じなさい。 ⑵ Bの請求について、いずれの国の法によって判断されるべきかを論じなさい。 【事実2】 AとBは、一旦は婚姻関係を継続することにしたが、2019年9月、AとDが再び不貞行為に 及んでいることがBに判明した。AはBの下を去ってDと同居するに至ったため、BはAとの婚姻 関係の継続を諦め、両者は話し合いの結果、離婚することに合意した。 〔設問2〕 【事実1】及び【事実2】を前提として、次の問いに答えなさい。 甲国法にも日本法と同じく協議離婚制度がある。しかし、甲国法では、夫婦は、夫婦が居住して いる地の裁判所(夫婦が甲国外に居住しているときは、夫婦が居住している国に所在の甲国大使 館)で離婚意思の確認を受けた後に、協議離婚の届出をしなければならないとされている。 2019年10月、AとBは、離婚意思の確認を事前に受けることなく、日本のS市で協議離婚 の届出(以下「本件届出」という。)をした。 戸籍管掌者は、本件届出を受理した。戸籍管掌者が本件届出を受理すると判断した理由について、 準拠法の決定過程を示しながら説明した上で、この判断の当否について論じなさい。なお、甲国法 上必要である事前の離婚意思の確認以外の離婚の成立要件は、日本法及び甲国法のいずれについて も、満たされているものとする。 【事実3】 2019年10月、AとBは、Cの親権者をBと定めて離婚した。BとCは現在まで引き続き日 本に居住している。これに対して、AとDは、2020年3月に甲国に転居し、それ以来、甲国に 居住している。 離婚時には、Bの方がAより収入が多かったことから、Cの養育費としてAがBに毎月3万円を 支払う旨の合意がAB間でなされ、AはBに対して毎月3万円を送金していた。しかし、2025 年1月、Bは右脚に大けがを負い、ダンサーとして公演を行うことができなくなり、収入が激減し た。他方、その頃には、Aが甲国で起業した会社が成功を収めて、Aは、高額の収入を得ていた。 【対象設問本文】 〔設問3〕 【事実1】から【事実3】までを前提として、次の問いに答えなさい。 Bは、2025年3月に日本の家庭裁判所に対し、Aを相手方として、Cの養育費を相当額に増 額することを求めて調停を申し立てたが、調停事件は不成立により終了し、審判に移行した。この 審判事件について、日本の裁判所の国際裁判管轄権が認められるか否かについて論じなさい(調停 事件の国際裁判管轄権について論じる必要はない。)。
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