令和6年 司法試験予備試験 論文式試験 選択科目 第5問
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[知的財産法] 【対象設問】〔設問2〕 【共通前提】 [知的財産法] [知的財産法] 小説家のAは、ファンタジー小説シリーズαの第1巻から第9巻までを創作し、これらはB社 から出版され、好評を博していた。αの各巻はそれぞれ独立した小説であるが、基本的な設定は共 通しており、何名かのキャラクターはシリーズを通じて登場している。Aは、αの第10巻の構想 を練っている途中で意欲をすっかり失い、執筆をやめてしまった。 B社は、Aが今後執筆を再開する見込みがないと判断し、別の小説家にαの第10巻の執筆を 依頼することにした。このため、B社は、Aから、Aが第10巻のために作成していたメモ書き等 の資料(以下「本件資料」という。)の提供を受け、その資料を用いて第三者に第10巻を創作さ せること及びそれをB社が出版することについての許諾を得た。B社は、小説家のCに対して、第 10巻となる小説を創作することを依頼し、Cはこれを受けて小説を完成させ、この小説はB社か ら出版された(以下、この小説を「本件小説」といい、αの第1巻から第9巻までを総じて「αの 過去作品」という。)。なお、Cは本件小説の執筆に当たり、B社から提供されたαの過去作品と 本件資料を参照したが、Aとは一切連絡を取っていない。 本件小説の主人公やその他のキャラクター数名は、αの過去作品に登場していたキャラクター であり、本件小説の大まかなストーリーの構成は本件資料の記載にのっとったものである。また、 本件小説にシリーズで初めて登場するキャラクターのうち、特に重要な1名(以下「本件キャラク ター」という。)の生い立ちや性格等の基本的な設定及びセリフの一部は本件資料に示されていた ものと同一である。他方、本件キャラクターの名称及び外観上の特徴はCが考え出したものであ る。 以上の事実関係を前提として、以下の設問に答えなさい。なお、各設問はそれぞれ独立したも のであり、相互に関係はないものとする。 【参考:先行設問】 〔設問1〕 Dは、αを題材にしたポスターを多種類作成し、これらを印刷して販売している。これらのポス ターの1つ(以下「本件ポスター」という。)には、本件キャラクターをDが視覚的に表現した絵 画が用いられるとともに、本件キャラクターの名称とセリフが記載されている。このセリフは、本 件資料にみられるセリフと同一のものである。 Cは、Dに対し、本件ポスターの印刷及び販売がCの有する著作権の侵害に当たると主張して いる。Cの主張の妥当性について論じなさい。 【対象設問本文】 〔設問2〕 本件小説が好評を博したため、B社は、本件小説の外伝として、本件キャラクターを主人公とす る新たな小説の執筆をCに依頼し、Cは、これを受けて、小説を完成させた(以下、この小説を 「本件外伝」という。)。本件外伝においては、本件小説の基本的な設定はそのままになってお り、本件小説においてCが創作した表現が一部に用いられているが、αの過去作品や本件資料にみ られる表現は用いられていない。 本件外伝はB社から出版された。Aは、B社に対し、本件外伝の出版がAの有する著作権の侵害 に当たると主張している。B社の反論を想定しつつ、Aの主張の妥当性について論じなさい。 論文式試験問題集