平成31年 司法試験予備試験 論文式試験 民法・商法・民事訴訟法 第6問
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[民事訴訟法] 【対象設問】〔設問2〕 【共通前提】 [民事訴訟法](〔設問1〕と〔設問2〕の配点の割合は,1:1) 次の文章を読んで,後記の〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。 【事例】 Y株式会社(以下「Y」という。)は,甲土地を所有していた。X1は,自宅兼店舗を建築する 予定で土地を探し,甲土地が空き地となっていたことから,購入を考えた。X1は,娘Aの夫で事 業を引き継がせようと考えていたX2に相談し,共同で購入することとして,甲土地の購入を決め た。X1は,甲土地の購入に当たり,Yの代表取締役Bと交渉し,X1とX2(以下「X1ら」と いう。)は,Yとの間で甲土地の売買契約を締結した。X1らは,売買代金を支払ったが,Yの方 で登記手続を全く進めようとしない。そこで,X1らは,Yを相手取って,甲土地について,売買 契約に基づく所有権移転登記手続を求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起した。 【参考:先行設問】 〔設問1〕 X1は,本件訴えの提起に際して,体調が優れなかったこともあり,X2に訴訟への対応を任せ ることとした。そのため,専らX2がX1らの訴訟代理人である弁護士Lとの打合せを行って本件 訴えを提起したが,X1は,Yに訴状が送達される前に急死してしまった。X1の唯一の相続人は Aであった。 X2は,X1から自分に訴訟対応を任されたという意識があったため,X1の死亡の事実をLに 伝えなかった。訴訟の手続はそのまま進行したが,Yは,争点整理手続終了近くになって,X1の 死亡の事実を知った。 Yは,X1の死亡の事実を知って,「本件訴えは却下されるべきである。」と主張した。 このYの主張に対し,X2側としてどのような対応をすべきであるかについて,論じなさい。 【事例(続き)】(〔設問1〕の問題文中に記載した事実は考慮しない。) 本件訴えに係る訴訟(以下「前訴」という。)においては,唯一の争点として甲土地の売買契約 の成否が争われた。裁判所は,X1ら主張の売買契約の成立を認め,X1らの請求を全て認容する 判決(以下「前訴判決」という。)を言い渡し,この判決は確定した。 しかし,Bは,前訴の口頭弁論終結前に,甲土地について処分禁止の仮処分がされていないこと を奇貨として,強制執行を免れる目的で,Bの息子Zと通謀し,YからZに対する贈与を原因とす る所有権移転登記手続をした。X1らは,前訴判決の確定後にその事実を知った。そこで,X1ら は,YとZとの間の贈与契約は虚偽表示によりされたものであると主張し,Zに対して甲土地の所 有権移転登記手続を求める訴え(以下,この訴えに係る訴訟を「後訴」という。)を提起した。Z は,後訴においてX1らとYとの間の売買契約は成立していないと主張した。 【対象設問本文】 〔設問2〕 X1らは,上記のようなZの主張は前訴判決によって排斥されるべきであると考えている。X1 らの立場から,Zの主張を排斥する理論構成を展開しなさい。ただし,「信義則違反」及び「争点 効」には触れなくてよい。