平成26年 司法試験予備試験 論文式試験 一般教養科目 第1問
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[一般教養科目] 【対象設問】〔設問1〕 【共通前提】 [一般教養科目] [一般教養科目] エリート(選良)という言葉は,今日,両義的な意味合いで用いられる。例えば,「トップエリ ートの養成」というと,肯定的な含意がある。これに対して,「エリート意識が高い」というと, 否定的な含意がある。エリートをどう捉えるかは,社会をどう捉えるかと同等の,極めて根源的な 問題の一つである。 「エリートとは何か」をめぐる,以下の二つの文章を読んで,後記の各設問に答えなさい。 [A] 「エリートとは何か」は,それぞれの社会の持つ歴史的・地理的な制約によって,その様相 が異なる問題である。 これに関連して,イタリアの経済学者・社会学者V.F.D.パレートは,「エリートの周流」 (circulation of elites)という理論を提示している。この理論は,エリートが周期的に交替す る(旧エリートが衰退し,新エリートが興隆する)ことを,一つの社会法則として提示しよ うとしたものである。 パレートはこう説く。エリートは,本来,少数者(特定の階級)の利益を代表している。 新エリートは,当初,(旧エリートの階級性を批判しつつ)多数者の利益を代表して登場する。 しかし,旧エリートと交替すると,今度は少数者の利益を代表するようになる,と(「社会学 理論のひとつの応用」1900 年による。)。 【対象設問本文】 〔設問1〕 [A]の文章中のパレートの理論を参照しつつ,近代社会において「学歴主義」(学歴を人の能 力の評価尺度とすること)が果たしてきた役割について,15行程度で論じなさい。 [B] 現代社会(ここでは,「現代社会」という言葉を,古典的な近代社会に対して近代的な近代 .... .... 社会という意味内容で用いている。)が,いかなる様相を持つ社会であるかは,当該社会に生 きる私たちにとって現実的な問題である。 例えば,アメリカの経営学者P.F.ドラッカーは,「ポスト資本主義社会」という概念を提 示している。 ドラッカーはこう説く。従来の資本主義社会では,土地・労働・資本の三つが,生産の資 源であった。しかし,今日のポスト資本主義社会では,知識が生産の資源になる。資本主義 社会では,資本家と労働者が,中心的な階級区分であった。しかし,ポスト資本主義社会で は,知識労働者とサービス労働者が中心的な階級区分になる,と(『ポスト資本主義社会』19 93 年による。)。 このドラッカーの主張は,エリートとは何かを論じる目的でされたものではないが,現代 社会において「エリートとは何か」を考える上で,一つの素材となり得るものである。