平成26年 司法試験 論文式試験 経済法 第2問
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〔第2問〕(配点:50) X市は,X市内の道路舗装工事のうち,特定の条件を満たしたものについて,指名競争入札によ り発注していた。 この指名競争入札に参加できるのは,X市の資格審査に合格したA等級の建設業者(以下「A等 級業者」という。)のみであり,A等級業者としては,AないしOの15社(以下,併せて「15 社」という。)のほか5社(以下「5社」という。)が存在し,いずれも,X市又はX市に隣接する 地域に本拠を置いていた。X市は,工事の内容,場所等を考慮して,工事ごとに15社及び5社の 計20社の中から10社を指名していた。 X市は,平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に,上記の特定の条件を満たし た道路舗装工事(以下「X市発注の特定舗装工事」という。)を50件(以下「50物件」という。) 発注した。50物件のそれぞれにおいて指名された10社の中には,いずれも,15社及び5社に 属する業者が含まれていた。 X市は,X市発注の特定舗装工事において,予定価格(注)を入札前に公表していたが,入札に 指名した業者名は落札者との契約締結後に公表していた。 50物件中40物件(以下「40物件」という。)において,15社の中でX市から指名を受け た業者のうち当該工事の受注を希望する者は,他の14社に電話をするなどして,14社のうちど の社が相指名業者になったのか,他に受注希望者がいるかを確認の上,自社が当該工事の受注を希 望する旨を告げていた。40物件のうち,35物件(以下「35物件」という。)については,1 5社のうち受注希望を表明した業者が1社のみであったので,その業者が受注予定者とされた。 40物件のうち,5物件(以下「5物件」という。)については,15社の中に受注希望者が複 数存在したため,当該受注希望者間の話合いで受注予定者が決定された。この受注希望者間の話合 いにおいては,発注される工事の施工場所が自社に近い等の「地域性」,過去受注した工事の継続 工事である等の「継続性」,その他の条件が考慮された。 40物件の全てにおいて,15社の中の受注予定者は,X市が公表する予定価格を参考にして自 社の入札価格を決定した。受注予定者は,自社の入札価格が最低価格となるように15社の中の相 指名業者の入札すべき価格をも決定し,当該相指名業者に対し,入札前までに,この価格を電話等 で連絡した。 35物件のうち33物件,5物件のうち4物件は,受注予定者が落札したが,これら以外の3物 件については,5社のいずれかが受注予定者より低価格で応札したため,受注予定者は落札できな かった。15社のうち,A,B,C,Dの4社は,50物件をいずれも落札しなかったが,40物 件中の複数の入札において,15社の中の他の業者から,指名の有無や受注希望の有無を確認され, 受注予定者から連絡を受けた価格で応札した。 50物件中,40物件以外の10物件(以下「10物件」という。)については,入札前に指名 業者の確認,受注希望の表明及び価格の連絡が行われたことは,いずれも確認されていない。10 物件中,15社のうちのいずれかの業者が落札した物件は7物件であった。 50物件について,落札価格が予定価格に占める割合(以下「落札率」という。)は,最高が9 9パーセント,最低が90パーセント,平均が97パーセントで,40物件の落札率と10物件の 落札率に顕著な差はなかった。 〔設 問〕 15社の行為について独占禁止法上の問題点を分析して検討しなさい。なお,課徴金の賦課につ き言及する必要はない。 (注)予定価格は,競争入札を執行する者が,仕様書,設計書等に基づき入札に付する事項の総額に ついて作成するものであり,予定価格の制限の範囲内で最低の価格による入札を行った者が落札 者となる。 論文式試験問題集[知的財産法]