平成24年 司法試験 論文式試験 知的財産法 第1問
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〔第1問〕(配点:50) Aは,充電式でない電池(以下「使い捨て電池」という。)を充電する方法の発明(以下「本件 発明」という。)について特許権を有している。本件発明によると,電圧が低下した使い捨て電池 を充電して繰り返し使用することができる。 メーカーBは,新型の充電器(以下「B製品」という。)を開発した。B製品は,充電式の電池 を充電する機能のほかに,電圧が低下した使い捨て電池を本件発明と同一の方法で充電する機能を 有しており,ユーザーは充電したい電池の種類に応じて充電機能を選択することができるように設 計されている。 以上の事実関係を前提として,以下の設問に答えよ。 〔設 問〕 1.Bは,日本国内市場及び外国市場を指向して,各国仕様ごとに生産工程を分けてB製品を製 造し,国内仕様のB製品を国内で販売し,外国仕様のB製品を外国に輸出している。AはBに 対し,本件発明の特許権に基づいてB製品の製造,販売及び輸出の各行為につき差止請求をす ることができるか。なお,B製品は,家庭内での使用を予定した装置であるものとする。また, Aは,外国において特許権を有していないものとする。 2.Cは,ソフトウェアメーカーであるが,Bからの発注を受けて,B製品に搭載する部品であ る半導体チップ(以下「C部品」という。)を製造してBに譲渡している。C部品には,本件 発明と同一の充電方法をB製品で機能させるプログラムが記録されている。そこでAはCに対 し,BがC部品を搭載して製造するB製品は,Aの本件発明の特許権を侵害していると通知し た。AはCに対し,どのような請求をすることができるか。 3.AはBに対し,家庭内で使用される製品に限る条件で,本件発明による充電機能を有するB 製品の製造・販売行為を許諾したが,事業者向けの充電器の製造・販売行為は許諾しなかった。 そこで,Bは,B製品に「家庭内使用に限る」と明記して販売した。ところが,日本国内の事 業者Dは,市場において購入したB製品を自らの事業目的で使用し,電圧が低下した使い捨て 電池を充電している。AはDに対し,本件発明の特許権に基づいてB製品の使用行為につき差 止請求をすることができるか。